記事を読み込み中です

建設業では「仕事はあるのに利益が残らない」という悩みを抱える中小企業が少なくない。その原因として意外に多いのが、工事そのものではなく「見積もり」の精度である。
材料費や人件費は計上していても、細かな経費を見落としてしまうことで、工事が終わる頃には利益がほとんど残らないケースも珍しくない。原材料価格や燃料費が高止まりしている現在では、以前と同じ感覚で見積もりを作成すると赤字につながる危険性が高まる。
今回は、利益を圧迫しやすい見落とし費用と、利益を確保するための見積もり管理のポイントをご紹介する。
見積書には材料費、労務費、機械費などを記載する企業が多い。しかし実際には、それ以外にも多くの費用が発生している。
例えば、現場までの高速道路料金や燃料代、駐車場代、工具や安全用品の消耗、廃材処分費、現場写真の整理や書類作成にかかる事務作業などである。 一つひとつは少額でも、年間を通じれば大きな金額になる。
これらを経費として十分に見込まないまま受注すると、工事が増えるほど利益率が下がるという事態にもなりかねない。
建設資材や燃料価格は近年、大きく変動している。
見積もりを提出してから着工まで期間が空く場合、当初の価格では資材を調達できないこともある。 また、協力会社への発注単価や運搬費も変動しやすく、見積もり作成時点と実際の施工時で利益が大きく変わる場合がある。
そのため、長期間有効な見積書ではなく、有効期限を設定することや、価格変動時の取り扱いを事前に説明しておくことも重要なリスク対策となる。
現場監督や管理者が現場を巡回する時間、安全書類の作成、近隣対応、工程調整などは直接工事ではないものの、工事には欠かせない業務である。 しかし、これらを「サービス」として計上していない企業も少なくない。
管理業務には人件費だけでなく、移動時間や通信費、車両維持費なども含まれる。こうした費用を適切に見積もりへ反映させることで、工事全体の利益率は改善しやすくなる。
担当者ごとの経験や勘だけで見積もりを作成していると、金額にばらつきが生じやすい。 利益率を安定させるには、会社として見積もり項目を標準化し、チェックリストを作成することが効果的である。
さらに、原価管理機能を備えた建設業向けソフトを活用すれば、過去の工事実績を参考にしながら見積もり精度を高めることも可能だ。自社の規模や業務内容に合ったツールを活用することも一つの方法である。
※画像はイメージです
見積もりは作成して終わりではない。 工事完了後には、実際の原価と見積金額との差を確認し、どこで利益が減少したのかを分析することが重要である。
毎月の原価会議や案件ごとの振り返りを行なうことで、「運搬費が予想より高かった」「管理工数が多かった」など改善点が見えてくる。 この積み重ねが次回以降の見積もり精度向上につながり、利益を安定して確保できる企業体質づくりにつながる。
利益が残らない原因は、受注件数や工事品質だけではなく、見積もり段階での小さな見落としが積み重なっているケースも多い。細かな経費まで可視化し、標準化された見積もりと原価検証を継続することで、利益率は着実に改善できる。
利益を守るためにも、今一度、自社の見積もり項目を見直してみてはいかがだろうか。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサービス『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
➡関連記事:天下茶屋駅前の未来を担う事業者募集、参加申請は8月17日締切
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。