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「直して保つ」だけのインフラ管理は、もう限界にきています。
2026年10月20日、社会資本整備審議会・交通政策審議会の中間答申「今後のインフラのマネジメントのあり方について」が、インフラマネジメント戦略小委員会の家田委員長から国土交通大臣に手渡されました。副題は「今こそ『インフラマネジメント』への戦略的転換を」。地域の維持管理を担う中小建設会社にとって、受注の仕組みや処遇が変わっていく可能性を示す内容です。
答申の中心にあるのは、インフラメンテナンスからインフラマネジメント(インフラマネジメントとは:点検や修繕にとどまらず、計画・設計・整備・維持管理・更新までのライフサイクル全体を一体で考え、全体として最適化する考え方)への戦略的転換です。
そのための方策として、「メリハリ」の推進、「見える化」の徹底、インフラの「自分事化」と「モーメンタム」の醸成、担い手に「もっと光を」当てたインフラマネジメント産業の構築、統合的「マネジメント」の構築の5つが整理されました。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000253.html)
国は2012年の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受け、翌2013年を「社会資本メンテナンス元年」と定め、予防保全(予防保全とは:不具合が起きる前に定期点検し、その結果に基づいて修繕する手法)型への転換を進めてきました。
しかし、2025年1月28日に埼玉県八潮市で起きた下水道管路破損に起因する道路陥没事故により、これまでの取組だけでは不十分だと答申は指摘しています。これを受けて2025年12月に諮問が行われ、小委員会での審議を経て今回の中間答申に至りました。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000253.html)
答申が示すデータは厳しいものです。市区町村の土木費は1993年度の約11.5兆円をピークに、近年は約6.5兆円程度とピーク時の約6割にとどまっています。さらに、全国の約4分の1の市区町村では技術系職員がゼロ、約5割では5人以下です。
発注の現場では、巡回・清掃・除草・剪定などの維持作業を約7割の機関・部署が一部または全部外部委託しており、そのうち約5割で直近3カ年のいずれかに随意契約(随意契約とは:競争入札によらず、発注者が相手を選んで結ぶ契約)が発生しています。課題には「受注業者の減少」「人材不足・高齢化」が挙がり、受注者側からも「随意契約の柔軟な活用」や「地域インフラを支える建設業維持に向けた支援強化」が国に求められています。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000253.html)
答申は地域の建設業を「地域の守り手」と位置づけ、次のような取組を国土交通省等に求めています。
・適正な労務費の確保や価格転嫁、適正工期に関する規定の運用による処遇改善・働き方改革
・小数量多工種のメンテナンス工事の実態に応じた歩掛(歩掛とは:工事の単位数量あたりに必要な人数や作業量の目安)設定など、積算方法のあり方の検討
・点検や修繕など地域の維持管理を合理的・効率的に受発注できる仕組みの検討
・インフラメンテナンス大賞などの表彰制度の推進
あわせて、群マネ(群マネとは:地域インフラ群再生戦略マネジメントの略。複数自治体・複数分野のインフラを「群」として捉えて効率的に管理する手法)の手引きの充実や、包括的民間委託(包括的民間委託とは:複数の業務や施設の維持管理をまとめて民間に委ねる方式)の周知も盛り込まれました。現状、群マネも包括的民間委託も、取り組む機関・部署は約1割にとどまります。裏を返せば、今後広がる余地が大きい分野です。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000253.html)
まず、地元自治体の発注動向をこまめに確認しましょう。維持管理業務がまとめて発注されるようになれば、1社だけで受けきれない規模や工種になる場合もあります。協力会社との連携体制を早めに整えておくことが、受注の幅を広げる準備になります。
次に、新技術への備えです。答申はロボット、センサー、ドローン、AIなどの活用や、性能カタログの策定・充実を掲げています。点検・調査の効率化につながる技術の情報収集を始めておくとよいでしょう。
今回の中間答申は、インフラを「守る」だけでなく、地域の将来像に合わせて「賢く管理する」時代への転換を示しました。担い手の処遇や受発注の仕組みの見直しも明記されており、地域の維持管理を支える建設会社の役割は今後さらに重みを増していきます。国の政策の具体化を注視しつつ、自社の体制を見直す機会にしてください。
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出典:今後のインフラのマネジメントのあり方について(中間答申)(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000253.html)をもとに作成
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