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「うちは価格さえ安ければ入札で勝てる」——産業廃棄物の処理契約に関わる事業者なら、これまではそう考えていたかもしれません。
しかし環境省の検討会で、その前提が近い将来くつがえる可能性が出てきました。🏗️📢今のうちに何を整えておけば経営上有利になるのか、一次情報をもとに整理します。
環境省は令和8年8月6日、令和8年度第1回環境配慮契約法基本方針検討会を開催し、基本方針の検討状況を示しました。この検討会は、国や独立行政法人等が契約を結ぶ際に価格以外の環境性能なども評価する「環境配慮契約法」(平成19年施行)の運用方針を毎年見直す場です。
対象は電気の供給契約や自動車の購入・賃貸借契約、産業廃棄物の処理契約など多岐にわたりますが、今回特に動きが大きいのが産業廃棄物処理契約です。
令和8年3月には「資源循環の促進に向けた産業廃棄物契約専門委員会」が新設され、これまでの「裾切り方式」から、価格以外の要素も点数化して評価する「総合評価落札方式」への移行が本格的に検討され始めました。背景には、令和6年5月公布・令和7年11月21日全面施行の「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」(高度化法)があり、脱炭素化と資源循環を経営に組み込む流れが国全体で強まっています。
実は同じ環境配慮契約の枠組みの中で、電気の供給を受ける契約はすでに一歩先を進んでいます。
令和8年3月13日付けで裾切り方式から総合評価落札方式へと契約方式が変更され、令和8年度は移行期間、令和9年度の供給契約からは本格導入という具体的なスケジュールが示されました。産業廃棄物処理契約も、この電力契約の動きを追いかける形で制度設計が進められています。⚡➡️♻️
つまり「先行事例」がすでに存在しており、経営者としては電力契約側の動きを参考に準備を進められる状況にあるのです。
出典:環境省ウェブサイト(https://www.env.go.jp/council/35hairyo-keiyaku/y350-r8-01_00033.html)
現行の裾切り方式では、環境・CSR報告書の公表、温室効果ガス排出削減計画・目標、従業員への研修・教育、事業の透明性、ISO14001などの認証取得、電子マニフェストへの加入、財務体質の健全性といった項目を点数化し、基準点をクリアした事業者だけが価格競争に参加できる仕組みです。
優良産廃処理業者認定制度への適合状況も評価対象で、環境配慮契約を実施した案件で入札に参加した処理事業者のうち、優良認定業者の割合は令和6年度実績で81%にのぼります。
今回検討されている総合評価落札方式(案)では、これらに加えて「再資源化又は焼却時の熱回収の実施及び実施状況の公表」が新規項目として追加され、契約ごとに再資源化していれば10点、熱回収のみなら5点を付与する配点案が示されています。
単なる法令遵守だけでなく、実際の再資源化の取り組み実績が経営の強みとしてそのまま評価点に変わる設計です。📊♻️

出典:環境省ウェブサイト(https://www.env.go.jp/council/35hairyo-keiyaku/y350-r8-01_00033.html)
スケジュールを見ると、産業廃棄物契約専門委員会は今年度中に2回程度開催され、契約方式の詳細を議論したうえで基本方針検討会に諮り、見直し方針を決定する流れです。仮に令和8年度末に閣議決定に至れば、令和10年分の契約からの本格導入が想定されています。
数年単位の猶予はありますが、評価項目に含まれる電子マニフェストへの加入、ISO14001やエコアクション21などの認証取得、環境・CSR報告書の作成・公表は、今日からでも準備に着手できる業務改善テーマです。特に紙のマニフェストを使っている事業者は、電子化への切り替えを検討する良いタイミングといえます。💻✅
地方自治体の動きも参考になります。北九州市は令和8年3月、産業廃棄物の適正処理に加え脱炭素化と資源循環に積極的に取り組む事業者を4段階で評価・認定する制度を全国で初めて創設しましたが、最上位グレードの獲得事業者は同年3月時点で10社にとどまっています。
愛媛県が平成13年度から運用する「資源循環優良モデル認定制度(スゴeco)」でも、産廃処理業の許可を持つ事業者の認定は6者のみです。裏を返せば、今のうちに実績や認証を整えておくだけで、周囲より一歩リードできる余地が大きいということでもあります。
出典:環境省ウェブサイト(https://www.env.go.jp/council/35hairyo-keiyaku/y350-r8-01_00033.html)
産業廃棄物処理契約への総合評価落札方式の導入は、まだ検討の入り口段階です。しかし電気契約の先行事例やスケジュールを踏まえると、数年内に実務へ波及する可能性は十分にあります。
価格競争だけでは勝てない時代に備え、電子マニフェストの導入やISO14001の取得、環境報告書の整備といった経営改善の一手を、今のうちからコツコツ積み上げておくことをおすすめします。🍀
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出典:令和8年度環境配慮契約法基本方針検討会(第1回)(環境省)(https://www.env.go.jp/council/35hairyo-keiyaku/y350-r8-01_00033.html)をもとに作成
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