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AIで建設機械やロボットを自律的に動かす技術を、現場で本格的に使えるようにする。その実現に向けて、国土交通省が産学官の新しい枠組みづくりに乗り出しました。2026年10月9日、「建設分野のフィジカルAIコンソーシアム」の会員募集が始まっています。
結論からお伝えすると、この取組は大手ゼネコンだけの話ではありません。国の戦略では中小企業を含むすべての規模の現場への普及が基本的な考え方として掲げられており、会員の対象には企業や団体が幅広く含まれています。参加の判断材料となるポイントを整理します。
フィジカルAI(フィジカルAIとは:センサなどで周囲の状況を認識し、AIが推論・判断したうえで、機械やロボットが現実の空間で行動するシステム)は、文章や画像を扱う従来のAIから一歩進み、現場で「動く」ことを目指す技術です。
国の資料では、背景として人材不足、現場環境の改善、インフラ老朽化への対応が挙げられています。さらに、建設現場は一品生産で非定型、不確実性も高いため、従来のICTだけでは限界があると指摘されています。天候や進捗に応じて柔軟に動けるフィジカルAIに、生産性向上・安全性向上・技能継承の効果が期待されているのです。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/sosei_constplan_tk_000036_00001.html)
国土交通省は2024年に「i-Construction 2.0」(i-Construction 2.0とは:建設現場の自動化などにより省人化と生産性向上を進める国土交通省の取組)を打ち出し、2040年度までに省人化3割、生産性1.5倍という目標を掲げています。
これを後押しするため、2026年9月4日に「建設分野におけるフィジカルAI戦略」の中間とりまとめが公表されました。短期(2030年頃)は早期の現場実証で成果を出し、中長期(2040年頃)に向けて研究開発を並行して進めるという二段構えです。重点分野には、機械施工、人力技能作業、現場内小運搬、構造物点検、巡視・点検、除草・除雪・清掃、災害調査、災害復旧の8分野が示されています。
今回のコンソーシアム(コンソーシアムとは:共通の目的のために複数の企業や機関が集まる共同体)は、河川・道路などの土木分野が主な対象です。施工だけでなく、施工計画や施工管理、点検、維持管理までを視野に入れています。組織は全体会議、企画運営委員会、プロジェクトチーム(PT)で構成されます。
PTは2つ設けられます。建設機械PTは施工で導入する作業の選定や2030年頃の到達レベルの設定、データ仕様・シミュレータ・実証環境といった共通開発基盤の要件検討を担います。人力作業支援PTは人力作業、現場内小運搬、構造物点検、巡視・点検、災害調査が対象です。どちらも仕様やガイドラインの案づくりまで進める計画です。
また、各社が独自に競う部分と、業界全体で共有すべき協調領域(協調領域とは:データ形式や評価ルールなど、競争せず共通で整備したほうが全体の得になる分野)のあり方も検討テーマに含まれています。
※画像はイメージです
会員は一般会員とプロジェクト会員の2区分です。一般会員は技術や知見の共有、ニーズ・シーズ調査への協力が役割で、規約への賛同が条件です。会費は当分の間徴収しないとされています。プロジェクト会員はPTに継続参加し、実証結果の共有やデータ・フィールド・機械・技術者の提供などに協力する中核メンバーで、取組方針・保有技術・PTでの役割の3つの観点から審査されます。選ばれなかった場合も一般会員として参加できます。
主な日程は次のとおりです。
・初回公募:10月9日~11月6日17時(以降は随時募集)
・説明会申込:10月16日12時まで(電子メール)
・説明会:10月21日11時~12時(Microsoft
Teamsでオンライン配信)
・質問受付:10月26日17時まで(回答は10月30日に国土交通省サイトへ掲載)
・第1回全体会議:11月下旬予定
申込はMicrosoft Formsで行い、事務局は一般財団法人先端建設技術センターが務めます。なお、会員リストは原則公開で、非公開を希望する場合は申込時に届け出る必要があります。
フィジカルAIの実装ルールは、これからコンソーシアムの議論の中で形づくられていきます。自社の現場の困りごとを届けたい企業にとっては、まず一般会員として情報を得ることも一つの選択肢です。説明会の申込期限は迫っていますので、関心のある方は早めに公募要領を確認しておきましょう。
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出典:報道発表資料「建設現場の未来を創る「建設分野のフィジカルAIコンソーシアム」の会員を募集します!」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001367.html)をもとに作成
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