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国土交通省は、所有者不明土地(所有者不明土地とは:登記簿などを調べても所有者がすぐに分からない、または連絡がつかない土地)への対策と、土地の取得・利用のあり方について、令和8年10月8日に審議会で議論を行ないました。
結論から言えば、土地を「持つ・買う・使う」ときのルールは、今後さらに見直される方向にあります。用地取得や開発に関わる建設会社にとっても、早めに動きを押さえておきたいテーマです。
国土交通省は令和8年10月5日、第60回国土審議会土地政策分科会企画部会(国土審議会土地政策分科会企画部会とは:国土交通省の審議会のうち、今後の土地政策について有識者が調査・審議する部会)の開催を発表しました。会議は令和8年10月8日(木)10時から12時まで、オンライン併用で行なわれました。
議事として示されたのは次の3つです。
・土地の取得・利用等のあり方
・所有者不明土地に関するこれまでの取組と現状
・意見交換
傍聴はWEB上のみで、会議資料と議事録は後日、国土交通省のホームページに掲載されるとされています。具体的な見直しの中身は、今後の資料公開を待つ段階です。
議事の1つ目「土地の取得・利用等のあり方」には前段があります。国土交通省は令和8年3月に「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」を設置し、第1回を3月27日に開催しました。設置の目的として、土地利用の課題が高度成長期の宅地供給やバブル期の投機対策から、人口減少下での適切な利用・管理へ移りつつあることが挙げられています。
この有識者会議は全5回の検討を経て、令和8年8月7日に提言をとりまとめました。提言では、問題が深刻化してからでは対処が遅いこと、土地利用関連法の対象外となる「法規制の隙間」で起きた問題は特に対処が難しいことが指摘されています。
そのうえで、国土利用計画法(国土利用計画法とは:一定面積以上の土地取引の届出などを定めた、土地利用に関する一般法)の特色を生かし、土地利用の継続的なモニタリングや、取引段階と利用段階の両方での指導監督を可能にする方向で制度を見直すべきとしています。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001996787.pdf)
議事の2つ目「これまでの取組」として押さえておきたいのが、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の改正です。令和4年2月4日に改正法案が閣議決定され、主に次の内容が盛り込まれました。
・地域福利増進事業(地域福利増進事業とは:所有者不明土地を、地域住民のための施設整備などに使えるようにする仕組み)の対象に、備蓄倉庫など災害対策関連施設を追加
・民間事業者が行なう同事業の土地使用権の上限期間を延長し、計画書の縦覧期間を短縮
・管理不全の土地について、市町村長による代執行等の制度を創設
・市町村長が所有者不明土地利用円滑化等推進法人(推進法人とは:所有者不明土地などの利活用に取り組む法人として市町村長が指定する団体)を指定できる仕組みを創設
あわせて法務省所管の制度として、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。相続したことを知った日から3年以内の登記が必要で、正当な理由なく違反すると10万円以下の過料の可能性があります。
施行日前の相続も対象で、施行日より前に相続を知った不動産は令和9年3月31日までに登記する必要があります。
現行の国土利用計画法でも、事後届出制度により、市街化区域で2,000㎡以上、その他の都市計画区域で5,000㎡以上、都市計画区域外で1ha以上の土地取引は、契約後2週間以内の届出が必要です。資材置き場や自社用地を取得する際は、まずこの基準を確認しておくことが基本です。
また、自社や経営者個人が相続した土地がある場合は、相続登記が済んでいるかを令和9年3月31日の期限を意識して点検しておきましょう。所有者不明土地を活用する地域福利増進事業などの動きは、自治体の発注や地域の施設整備につながる可能性もあります。企画部会の資料が公開されたら、見直しの具体的な方向性を確認することをおすすめします。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001996787.pdf)
所有者不明土地対策と土地の取得・利用ルールは、提言を受けて審議会での議論が始まった段階です。土地取引の届出や相続登記といった今あるルールを確実に守りつつ、今後の制度見直しの情報に目を配っておくことが、用地や事業機会を逃さない備えになります。
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出典:今後の土地政策のあり方に関する調査審議を実施
~第60回国土審議会土地政策分科会企画部会の開催~(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo02_hh_000001_00124.html)をもとに作成
出典:「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」提言がとりまとめられました(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo02_hh_000001_00119.html)をもとに作成
出典:「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo02_hh_000001_00030.html)をもとに作成
出典:第59回国土審議会土地政策分科会企画部会 資料2(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001996787.pdf)をもとに作成
出典:【法務省/相続登記の義務化】不動産を相続したらかならず相続登記!(法務省)(https://www.moj.go.jp/MINJI/souzokutouki-gimuka/index.html)をもとに作成
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