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「職人が集まらない」「若手がすぐ辞めてしまう」「現場のベテランの頭の中にある技術をどう引き継ぐか…」。建設業の中小企業が日々向き合っているこうした課題、実は日本全体の労働力減少という構造問題と密接につながっています。🏗️
そうした中なか、経済産業省は2026年6月30日、日本の産業構造を変えうる重要な発表を行ないました。国産の人工知能(AI)基盤モデルの開発事業がいよいよ本格始動するというニュースです。建設業にとって「他人事」とは言えない、大きな転換点になるかもしれません。
経済産業省は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と連携し、「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」を開始しました🎯
NEDOが2026年3月24日から4月22日にかけて実施した公募を経て採択されたのは、Noetra株式会社(旧日本AI基盤モデル開発)と国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の2者です。事業期間は2026年度から2030年度までの5年間にわたります。
ここでいう「マルチモーダル基盤モデル」とは、テキスト(文章)だけでなく、音声・画像・動画・センサーデータなど多様なデータを統合的に扱えるAIモデルのこと。現場の「見る・聞く・感じる」に近い情報処理を機械が担える時代が近づいています。
※画像はイメージです
経産省がこの事業で特に強調しているのが、「国産」であることへのこだわりです。その背景には、建設業を含む日本の裾野の広い産業が持つ「現場データ」の重要性があります。📊
溶接の微細な動き、コンクリート打設の職人感覚、設備点検のノウハウ——こういった現場の暗黙知は、デジタル化が進めばデータとして蓄積できる可能性があります。しかし海外のAIサービスにそのデータをそのまま提供してしまうと、日本企業の強みである「現場力」が他国に流出しかねません。
経産省は、現場データを守りながら将来も安心して活用できる国産モデルが必要と明言しています。Noetra株式会社は国際的に競争力のある国産マルチモーダル基盤モデルを開発・提供する役割を担い、産総研は国内外の研究機関等と連携して先進的な技術開発を実施します。
この事業のキーワードは「フィジカルAI」です。これはデジタルの世界だけで動くAIではなく、ロボットや機械を通じて物理的な作業を担うAIを指します。🤖
たとえば、足場の点検や資材の搬送、鉄筋の配置確認——これらは今でもほぼ人の手と目に頼っています。フィジカルAIが実用化されれば、こうした作業の一部を機械が補助・代替し、人間は判断と管理に集中できるようになる可能性があります。
経産省は国産マルチモーダル基盤モデルを世界に先駆けて構築することで、「労働力減少を乗り越える形でフィジカルAIの導入を加速する」と明記しています。これは人手不足に悩む中小建設会社にとって、決して遠い話ではありません。また、AI利用の省電力化も重要な開発テーマとされており、建設現場での実用性を高めるための工夫も含まれています。
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「大企業の話でしょ?うちには関係ない」と思いがちですが、こういった国産AI基盤モデルは将来的に中小企業向けのツールやサービスに組み込まれて普及していきます。今から備えておくことが、数年後の競争力の差になります。✨
① 現場の「データ化」を少しずつ始める
写真日報・施工写真・安全点検記録など、今あるデータをデジタルで残す習慣をつけましょう。AIは蓄積されたデータを学習して賢くなります。データがなければAIも動きません。
② 「AI=専門家向け」の思い込みを捨てる
現場では既に、音声入力の日報アプリや画像解析の安全管理ツールなどが実用レベルで存在します。まずは1つ試してみることで、AIへの感覚が磨かれます。
③ 国の動向をウォッチし続ける
今回の事業は2026年度から2030年度という中長期プロジェクトです。国産AI基盤モデルを活用した補助金・助成金制度が今後生まれる可能性も十分あります。経産省やNEDOのウェブサイトを定期的にチェックする癖をつけておきましょう。
経済産業省とNEDOが推進する「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」は、日本の産業の「現場力」をAIで守り・伸ばすという方向性を明確に示した国家プロジェクトです🇯🇵
採択されたNoetra株式会社と産総研が2030年度までに構築する国産AI基盤モデルは、将来的に建設現場のDXや省人化ツールの「エンジン」になり得る存在です。今はまだ遠く感じても、5年はあっという間。中小建設会社の経営者・現場監督の皆さんも、AIの潮流から目を離さずにいてください。
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出典: 「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」を開始します(経済産業省)https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260630005/20260630005.html をもとに作成
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。