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東京都中野区は、中野駅南口からなかのZERO(もみじ山文化センター)方面へ延びる千光前通りの将来像を示す「千光前通り周辺地区まちづくり基本方針(素案)」を、令和8年10月5日の区議会建設委員会に報告しました。素案では、通りを中心ににぎわい・歩行環境・防災・文化とみどりの4方針が示されています。
本記事では、区の資料をもとにその中身と、地域の建設事業者にとっての意味を整理します。
素案が掲げる将来像は「多様な人たちが出会い、にぎわい、歩きたくなる安全で快適な魅力あふれるまち」です。地区は「にぎわいと交流ゾーン」「みどりと文化の形成ゾーン」「都市機能誘導ゾーン」に分けられ、中野駅・なかのZERO・紅葉山公園を結ぶ歩行動線を回遊軸として位置付けています。
対象範囲は、千光前通りの沿道おおむね20mを中心に、北側のJR用地、南東側のなかのZEROと紅葉山公園を含むエリアです。
※画像はイメージです
背景には、令和6年2月に完成した中野サウステラをはじめとする中野駅南口地区の再開発で、周辺環境が変わりつつあることがあります。令和8年2月には、沿道の権利者でつくる「千光前通り周辺地区まちづくり協議会」が協議会案を区に提出しました。区はこれを考慮しつつ、上位計画との整合を図って素案をまとめています。
令和8年7月30日の協議会との意見交換では「大規模開発を待たず早期に着手すべき」との声が上がり、区は取り組めるものから段階的に進める考えを示しました。
区の資料によると、令和6年度の中野駅の1日平均乗降客数はJRと東京メトロ東西線の合計で406,312人、なかのZEROの利用者数は868,225人に上ります。一方で、千光前通りは幅員おおむね8.0mの一方通行で、北側歩道は最も狭い区間で1.5mしか確保できていません。荷捌き車両の停車や自転車との交錯も課題とされています。
建物面では、築40年以上の建物が地区全体の約6割(40年以上50年未満が14.3%、50年以上が45.2%)を占め、旧耐震基準(旧耐震基準とは:1981年5月以前の耐震基準)の建物が多いとされています。用途地域は、通り南側が近隣商業地域(容積率300%、建蔽率80%)、北側のJR用地を含む区域が準工業地域(容積率200%、建蔽率60%)です。
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千光前通り周辺地区の主な現状データ |
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項目 |
内容 |
|---|---|
中野駅の1日平均乗降客数(令和6年度) |
406,312人(JR中央線・総武線と東京メトロ東西線の合計) |
なかのZERO利用者数(令和6年度) |
868,225人 |
千光前通りの道路 |
幅員おおむね8.0mの一方通行 |
北側歩道の幅(最も狭い区間) |
1.5m |
築40年以上の建物 |
地区全体の約6割(40年以上50年未満14.3%、50年以上45.2%) |
用途地域 |
南側:近隣商業地域(容積率300%・建蔽率80%) |
出典:中野区(https://kugikai-nakano.jp/shiryou/26102164629.pdf)のデータをもとに作成
方針1「にぎわいと交流を育むまちづくり」では、沿道低層部へのにぎわい機能の誘導や軒先空間の活用を掲げています。方針2「安全で快適に歩けるまちづくり」では、歩道のフラット化や歩車道の再配分、商店会主体の荷捌きルールづくりを挙げています。
方針3「安心して過ごせるまちづくり」は建築物の更新による防災性の向上、方針4「文化やみどりを感じられるまちづくり」は紅葉山公園の将来的な再整備や街路樹の維持・保全などが柱です。
実現手法としては、地区計画、まちなかウォーカブル推進事業、ベンチ等設置補助事業、建築物の耐震対策支援制度、都市開発諸制度(都市開発諸制度とは:公共貢献に応じて容積率などを緩和する東京都の制度群)などが想定されています。
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基本方針(素案)の4本柱 |
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方針 |
主な取組 |
想定される手法(抜粋) |
|---|---|---|
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方針1 |
沿道低層部へのにぎわい機能の誘導、軒先空間の活用、道路空間を活用した滞在空間づくり |
地区計画、まちなかウォーカブル推進事業、ベンチ等設置補助事業 |
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方針2 |
歩道のフラット化、歩車道の再配分、商店会主体の荷捌きルールづくり |
地区計画(壁面の位置の制限等)、都市開発諸制度 |
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方針3 |
建築物の更新等による防災性の向上、災害時に使える空間の確保 |
建築物の耐震対策支援制度、地区計画(敷地面積の最低限度等) |
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方針4 |
なかのZEROを生かした魅力づくり、アニメ文化を生かした景観形成、紅葉山公園の将来的な再整備 |
緑化計画制度、紅葉山公園の再整備、街路樹の維持・保全 |
出典:中野区(https://kugikai-nakano.jp/shiryou/26102164629.pdf)のデータをもとに作成
区は令和8年10月末から素案への意見募集を行ない、11月に基本方針(案)を作成、令和9年1月の住民説明会を経て、令和9年3月に基本方針を策定する予定です。
築年数の経過した建物が多い地区で、建て替えや耐震化、店舗の低層部改修、歩道や公園まわりの整備が方針に盛り込まれたことは、地元の工務店や専門工事会社にとって中長期の動きとして注目に値します。まずは意見募集の資料に目を通し、地区計画など具体的なルールづくりの行方を追っておくと、施主からの相談に的確に応えやすくなります。
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今後の予定 |
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時期 |
内容 |
|---|---|
令和8年10月末〜 |
基本方針(素案)に関する意見募集 |
令和8年11月 |
基本方針(案)の作成 |
令和9年1月 |
基本方針(案)に関する住民説明会 |
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令和9年3月 |
基本方針の策定 |
出典:中野区(https://kugikai-nakano.jp/shiryou/26102164629.pdf)のデータをもとに作成
千光前通りの基本方針は、再開発が進む中野駅周辺で「通過される通り」を「滞在し歩きたくなる通り」へ変える一歩です。策定は令和9年3月予定で、その後は取り組めるものから段階的に動き出します。地域の変化を早めにつかみ、準備を進めておきましょう。
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出典:千光前通り周辺地区まちづくり基本方針(素案)について(中野区)(https://kugikai-nakano.jp/shiryou/26102164629.pdf)をもとに作成
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