国土交通省港湾局は、令和8年7月24日、浮体式洋上風力発電の最適な海上施工方法の確立に向けた「技術開発制度」において、新たに採択した技術開発案件7件を公表しました。🌊✨
この制度は、浮体式洋上風力発電の導入を促進するため、海上での施工方法に関する技術開発案件を民間企業等から募集し、採択された案件を国の委託研究開発として集中的に推進する仕組みです。
「洋上風力」と聞くと縁遠く感じるかもしれませんが、海上作業基地やクレーン、アンカー、係留ロープなど、建設業に馴染み深い技術要素が数多く含まれており、港湾工事や海上工事に携わる中小企業にとっても今後の技術動向を知る良い機会といえます。👷今回はその採択内容をわかりやすく整理してご紹介します。
なぜ「海上施工」が課題になっているのか⚓
浮体式洋上風力発電は、海底に基礎を固定する「着床式」と異なり、海上に浮かべた浮体をロープやチェーンで係留する方式のため、施工の難易度が高いという課題があります。⚓
波や潮流の影響を受けながら海上で作業基地を運用したり、大型クレーンを使って部材を設置したりする工程は、陸上工事とは違う難しさがあり、専用の技術やノウハウの確立が急務とされてきました。
そこで港湾局は令和8年度、この課題解決に資する技術開発を後押しするため、「浮体式洋上風力発電の最適な海上施工方法の確立に向けた技術開発制度」を創設し、令和8年4月7日から5月15日まで技術開発案件の公募を実施しました。その後、有識者による審査等を経て、今回7件の案件が新規に採択されています。📝
※画像はイメージです
採択された7つの技術開発、その中身をチェック🔍
採択された案件はいずれも令和8年度からスタートし、期間は2年間または3年間です。
①浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(通称FLOWCON)による、海上作業基地を活用した施工方法に関する技術開発(3年間)
②株式会社タダノインフラソリューションズによる、基地港湾利用に適した国産リングリフトクレーン生産システム確立に向けた技術開発(2年間)
③戸田建設株式会社と国立大学法人熊本大学による、パルスパワー衝撃破砕技術を用いた浮体式洋上風車の海洋底岩盤掘削(3年間)
④株式会社気象工学研究所と株式会社環境GIS研究所による、高精度気象・海象予報に基づく作業可否予測システムの開発(3年間)
⑤株式会社吉田組と東京製綱繊維ロープ株式会社による、繊維ロープを用いた省力化係留施工技術の開発(3年間)
⑥五洋建設株式会社、国立大学法人東京海洋大学、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所による、経済的・高性能アンカリング技術の開発(3年間)
⑦国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と国立大学法人東京海洋大学による、基地港湾利用調整システムの構築に関する技術開発(3年間)
クレーンや掘削、係留、気象予測、港湾利用調整まで、施工プロセス全体をカバーする幅広いテーマが選ばれているのが特徴です。🛠️
建設業・中小企業にとってのポイントは?💡
今回採択された技術開発の多くは、造船・建設・港湾関連の民間企業と大学、研究機関が連携して取り組む点が特徴です。💡
とくに株式会社タダノインフラソリューションズによる国産クレーン生産システムや、株式会社吉田組・東京製綱繊維ロープ株式会社による係留施工技術は、既存の建設機械・資材メーカーの技術が洋上風力分野へ応用される好例といえます。
浮体式洋上風力は今後、国内での導入拡大が見込まれる分野であり、港湾工事や海上工事、資材供給などで中小企業が関わる場面も増えていく可能性があります。採択された技術開発は国の委託研究として令和10年度頃まで進められる予定のため、今後の実証状況や成果の公表にも注目が必要です。👀
自社が普段扱っている資機材や施工ノウハウが、実は洋上風力分野でも応用できるかもしれないと考えるきっかけにしてみてください。
今後の行動提案📌
港湾局は今回の採択にあたり、制度の詳細や募集要領等の関連資料を国土交通省ホームページで公開しています。
洋上風力分野への参入や技術提携を検討している企業は、今回採択された7件の技術開発テーマを確認し、自社の技術や設備がどの分野で活かせそうか整理してみることをおすすめします。
また、今後も新たな公募が行なわれる可能性があるため、国土交通省港湾局の発表を定期的にチェックしておくとよいでしょう。📌
まとめ🌱
浮体式洋上風力発電の海上施工技術は、まだ発展途上の分野だからこそ、建設業界にとって新しい技術やビジネスチャンスが眠っている領域でもあります。
今回の7件の採択内容を参考に、自社の技術がどのように活かせるか、ぜひ考えてみてください。
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出典:浮体式洋上風力発電の最適な海上施工方法の確立に向けて~「技術開発制度」の対象とする技術開発案件を新規採択~(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/port01_hh_000328.html)をもとに作成
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