自治体の建退共チェックが年々厳しくなっている理由🏗️
「建退共(建設業退職金共済制度)の事務なんて、証紙を貼っておけば大丈夫」——そう思っている元請企業の担当者はまだ多いのではないでしょうか。
ところが、国土交通省が令和7年度に実施した「建退共アンケート」では、発注機関である自治体側の履行確認の目が年々厳しくなっている実態が明らかになりました。
調査は都道府県・指定都市・特別区及び国が指定する市の合計421団体に依頼され、350団体(回答率約83%)から回答が集まった、かなり網羅性の高い調査です。🔍
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)
国交省調査でわかった「電子申請3割」の実態📊
今回の調査で最も注目されたのが、建退共の電子ポイント方式(電子申請方式)に関するデータです。元請事業者から電子申請方式に係る確認書類等を受領したことがある自治体は31%となり、前年度の26%から増加しました。
また、令和7年10月から建退共のシステムとCCUS(建設キャリアアップシステム)の就労履歴が自動連携されることになった事実を「知っている」と答えた自治体は36%にとどまり、6割超が「知らない」と回答しています。
さらに、履行確認の効率化を目的にCCUSを活用したことが「ない」自治体は91%にも達し、その理由として「元請事業者がCCUSを利用していないことが多いため」が最も多く挙げられました。
つまり、自治体側の受け入れ体制は整いつつあるものの、元請企業側のCCUS登録・電子申請対応がまだ追いついていないというのが実情です。⚠️

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)
証紙・電子ポイントそれぞれの確認状況を知っておこう🧾
従来型の証紙貼付方式についても、調査結果が公表されています。
工事契約時に、掛金収納書提出用台紙に貼付した掛金収納書を提出させている機関は74%で、前年度の72%からさらに増加しました。一方、証紙購入状況の確認のために特に書類を提出させていない機関は1%まで減少しており、確認の厳格化が進んでいることがわかります。
また、一つの工事において電子ポイント方式と証紙貼付方式の両方の確認書類等を受領したことのある自治体は3%と、まだ少数派ですが、今後こうした併用ケースも増えていくと見られます。
受注者(元請事業主)による不適切な運用が確認された機関は5%で、前回調査の4%からわずかに増加。確認されたケースでは、全てにおいて発注機関から指導が行なわれています。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)
元請企業・事務担当者が今からできる対策🛠️
ここまでのデータを踏まえると、元請企業がとるべき対策は大きく3つに整理できます。
1つ目は、電子ポイント方式(電子申請方式)への切り替えを検討すること。証紙の購入・貼付・保管にかかる手間やコストを減らせるだけでなく、自治体側の確認作業もスムーズになり、今後の履行確認で不利な指摘を受けにくくなります。
2つ目は、CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録・就労実績の入力を後回しにしないこと。令和7年10月からは建退共とCCUSの就労履歴が自動連携される仕組みが動き出しており、CCUSの活用状況がそのまま建退共事務の正確さに直結する時代になっています。
3つ目は、証紙貼付方式を継続する場合でも、掛金収納書の提出・保管ルールを社内で明文化し、担当者が変わっても同じ運用ができる体制を整えることです。
自治体側の確認体制が年々強化されているいま、「今まで指摘されなかったから大丈夫」という考え方はリスクになりかねません。💡
まとめ
国交省の調査から見えてきたのは、建退共の履行確認が証紙・電子申請の両面で徐々に厳格化しているという流れです。電子申請の受領実績はまだ31%ですが、確実に増加傾向にあり、CCUSとの自動連携も始まっています。
元請企業としては、証紙方式に頼り切るのではなく、電子申請やCCUS活用への対応を少しずつ進めておくことが、今後の公共工事受注においても安心材料になるはずです。
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出典:「令和7年度 建退共アンケートの概要」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)をもとに作成










