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10月に入ると、建設業の現場では工事の進行と同時に、年末までの資金繰りを考える時期に入ります。秋以降は材料費や外注費の支払いが続く一方、年末には賞与、給与、税金、設備費など、まとまった支出が重なりやすくなります。
「売上はあるから大丈夫」と考えていても、入金と支払いのタイミングがずれると、手元資金が急に薄くなることがあります。だからこそ10月から、年末までのお金の予定を一度並べておくことが大切です。
建設業では、工事を受注した時点で現金が入るとは限りません。材料を先に購入したり、協力会社への支払いが先行したりして、入金より支出が早くなるケースがあります。特に複数の現場を抱える会社では、工事ごとの入金予定と支払予定を別々に管理していると、会社全体の資金の動きが見えにくくなります。
そこで10月の段階で、10月、11月、12月の入金予定と支出予定を月ごとに書き出す方法がおすすめです。売掛金の入金、手形など契約に基づく回収、材料費、外注費、給与、賞与、税金、リース料、車両や機械の維持費などを並べます。予定日が確定していないものは「未確定」として分けておくと、後から修正しやすくなります。
※画像はイメージです
年末に向けて注意したいのは、毎月の固定的な支払いだけではありません。たとえば、冬場に向けた工具や防寒用品の購入、車両の整備、現場の消耗品、事務所の更新費用など、会社によって時期が集中する支出があります。
さらに、賞与や年末年始前後の給与、税金や社会保険料などの支払いも資金計画に入れておく必要があります。社会保険料(社会保険料とは:健康保険や厚生年金など、会社と従業員が負担する保険料)は、給与計算だけでなく会社側の資金繰りにも関係します。
ここで重要なのは、金額を完璧に予測することではありません。「12月に大きな支出が何件あるのか」「その前に入金がいくらあるのか」を把握することです。予定表を作るだけでも、資金が薄くなる時期を早めに発見できます。
年末の資金繰りでは、支払いだけを見ていてはいけません。進行中の工事について、いつ請求でき、いつ入金される予定なのかも確認します。
特に、追加工事や変更工事が発生している場合は注意が必要です。現場では作業が進んでいても、追加分の金額や請求方法が整理されていなければ、売上として計上できても実際の入金時期が後ろにずれることがあります。追加・変更があった現場は、契約内容や請求条件を担当者と確認しておきましょう。
また、年末年始は取引先の休業日によって請求書の締めや入金日が通常と変わる場合があります。「いつも通り入金される」と決めつけず、取引先ごとの予定を確認することが重要です。
10月から年末にかけて、「今年のうちに機械を買ったほうがよいのでは」と考える会社もあるでしょう。ただし、設備投資は、購入価格だけで判断しないことが大切です。
購入後に資金がどれだけ残るのか、支払い方法はどうするのか、既存のリースや借入の返済と重ならないか、実際に現場で使う時期はいつなのかを確認します。節税だけを目的に購入すると、手元資金が減ってしまうこともあります。
大きな買い物を検討している場合は、「必要性」「支払時期」「購入後の資金残高」をセットで考えると判断しやすくなります。
難しい資金繰り表を最初から作る必要はありません。まずは一枚の表に、10月、11月、12月の月別で「入ってくるお金」「出ていくお金」「未確定の予定」を書きます。
そのうえで、支払いが集中する月に印を付けます。もし12月に支出が偏っているなら、早めに入金予定を確認したり、購入時期を調整したりできます。反対に、入金が多い月が分かれば、設備や工具などの購入計画を検討する材料にもなります。
ポイントは、予定表を一度作って終わりにしないことです。請求額が決まった、入金日が変更になった、設備購入を見送ったなど、情報が変わったら更新します。経営者だけでなく、請求や支払いを担当する事務担当者とも共有しておくと、確認漏れを減らせます。
10月は、年末のお金を考えるには早すぎる時期ではありません。むしろ、年末に支払いが集中してから慌てないための準備期間です。
入金予定と支出予定を月ごとに並べ、賞与や税金、外注費、設備投資などの大きな動きを先に確認しておけば、資金の余裕を保ちながら年末を迎えやすくなります。年末までの3カ月を一つの予定表にまとめることから始めてみましょう。
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