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愛媛県松山市が進める「松山市新庁舎整備事業」の事業者が決定しました。最優秀提案者となったのは熊谷組・成武建設・大進建設・佐藤総合計画特定建設工事共同企業体(JV)で、提案価格見積額は196億3,500万円(税込)です。
約196億円規模の大型プロジェクトですが、実は大手ゼネコンだけの話ではありません。事業者選定の評価基準に**「市内・県内企業への発注額」**が組み込まれているため、地元の専門工事会社や協力会社にとっても大きな受注チャンスとなります。
本記事では、評価の仕組みや事業の全体像を解説するとともに、地元の建設業者がこの大型案件参画に向けて準備すべきポイントを分かりやすくまとめました。
今回の選定は公募型プロポーザル(公募型プロポーザルとは:参加者を広く募り、価格だけでなく技術提案の内容も含めて総合的に評価し、契約の相手方を選ぶ方式)で行われました。100点満点の内訳は、実績体制審査10点、技術提案審査60点、地域貢献審査10点、提案価格審査20点です。
注目したいのが地域貢献審査です。市内・県内企業への発注額を点数化する項目があり、最も高い提案貢献金額を満点の8点とする考え方が示されています。金額は市内企業への貢献金額は1.0倍、県内企業への貢献金額は0.5倍で計算されます。つまり、同じ金額でも市内企業に発注したほうが評価上は2倍の重みを持つ設計です。
このほか地域振興に関する項目(2点)もあり、地域貢献審査全体で10点の配点となっています。
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評価の配点(100点満点) |
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審査項目 |
配点 |
|---|---|
実績体制審査 |
10点 |
技術提案審査 |
60点 |
地域貢献審査(地域貢献8点+地域振興2点) |
10点 |
提案価格審査 |
20点 |
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地域貢献(8点)の算定方法 |
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発注先 |
貢献金額の換算 |
|---|---|
市内企業 |
×1.0 |
県内企業 |
×0.5 |
最も高い提案貢献金額を8点満点として評価(金額は税込) |
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出典:松山市ウェブサイト(https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/keikaku/shinchosya/db_koubo.html)をもとに作成
プロポーザルには3つの共同企業体が参加しました。共同企業体(JVとは:複数の建設会社などが一つの工事を共同で受注・施工するために組む組織)は、いずれも建設会社と設計事務所の組み合わせです。決定日は2026年10月30日、結果は11月2日に市のウェブサイトで公表されました。最優秀提案者の総合点は86.3点でした。
発注方式はデザインビルド(デザインビルドとは:設計と施工を一括して一つの事業者に発注する方式)です。提案上限価格は231億円(税込)に設定されており、見積額196億3,500万円はちょうどその85%に当たります。提案価格審査では、提案価格が上限価格の85%未満の場合は20点とする定めがあります。
業務内容は、新庁舎(北棟)の建設(延べ面積約21,000平方メートル)と周辺外構整備、別館の解体、解体後の外構整備です。履行期間は契約締結日から2032年9月30日までで、市は2032年度までの継続費(継続費とは:複数年度にわたる事業の経費総額と年度ごとの支出予定額をあらかじめ議会で定める予算の仕組み)を設定しています。
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松山市新庁舎整備事業の概要 |
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最優秀提案者 |
熊谷組・成武建設・大進建設・佐藤総合計画特定建設工事共同企業体 |
|---|---|
決定日 |
2026年10月30日 |
参加者数 |
3共同企業体 |
総合点(最優秀提案者) |
86.3点/100点 |
提案価格見積額 |
196億3,500万円(税込) |
提案上限価格 |
231億円(税込) |
発注方式 |
設計・施工一括発注(デザインビルド) |
業務内容 |
新庁舎(北棟)の建設(延べ面積約21,000㎡)、周辺外構整備、別館の解体、解体後外構整備 |
履行期間 |
契約締結日から2032年9月30日まで |
出典:松山市ウェブサイト(https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/keikaku/shinchosya/db_koubo.html)をもとに作成
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市の基本計画によると、過去の劣化調査で本館は設備改修により継続使用が可能とされた一方、別館・第3別館・第4別館は老朽化のため大規模改修や建替えの検討が必要と指摘されました。執務スペースの狭さ、ユニバーサルデザインへの対応不足、庁舎の分散も課題でした。
そこで、別館・第3別館・第4別館・公営企業局庁舎を集約した新庁舎(北棟)を本館敷地の北側に建て、本館は引き続き使う方針です。
新庁舎には防災拠点としての役割も求められています。免震構造(免震構造とは:建物と地面の間に免震装置を入れ、地震の揺れを伝わりにくくする構造)の採用や、非常用自家発電設備による72時間の電源供給、72時間の庁舎運営に必要な水の確保などが計画に盛り込まれています。環境面ではZEB ready(ZEB readyとは:高い省エネ性能により、建物のエネルギー消費の大幅な削減を目指す水準)の取得も掲げられています。
※画像はイメージです
市の公表スケジュールでは、11月上旬に仮契約、市議会の議決を経て12月に本契約の予定です。基本計画では北棟の供用開始を令和12年度と見込んでいます。
設計から施工、解体、外構まで長期にわたる事業のため、工種ごとに協力会社の手配が段階的に進むと考えられます。地元企業が意識しておきたいのは次の3点です。
・自社の対応可能工種・施工実績を整理する
元請け(JV構成企業)に対して提案しやすいよう、自社の強みや過去の類似実績をすぐに提示できる体制を整えておきましょう。
工期に応じた自社の参入タイミングを把握する
設計から施工、旧庁舎の解体、外構工事まで長期にわたる事業です。どのフェーズで自社の強みが活かせるか、スケジュールを見極めることが重要です。
人員と協力会社ネットワークの早期確保
受注のチャンスが巡ってきた際に「施工能力が足りない」という事態を防ぐため、今のうちから人手や下請け・協力会社のネットワークを広げておきましょう。
※画像はイメージです
松山市の新庁舎整備事業は、事業費約196億円、履行期間は2032年までにおよぶ一大プロジェクトです。評価基準において「市内・県内企業への発注」が点数化されているため、地元の建設会社・専門工事業者にとっては大きなビジネスチャンスとなります。
本契約が交わされる12月以降、具体的な施工体制の構築が進んでいきます。早めの情報収集はもちろん、自社の強みの整理や協力会社との関係づくりを進め、いつでも動ける体制を整えておきましょう。
人手不足の解消や新しい協力会社探しには、無料で使えるマッチングサービス『[建設円陣]』もぜひご活用ください。
出典:【募集終了】松山市新庁舎整備デザインビルド事業者選定(公募型プロポーザル方式)(管財課)(松山市)(https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/keikaku/shinchosya/db_koubo.html)をもとに作成
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