一人親方に「見積書ください」と言えていますか?🤔
「長年の付き合いだから」「口約束で十分」——一人親方に工事を発注するとき、見積書や契約書をきちんと交わしていない会社は意外と多いのではないでしょうか。
実はこれ、あなたの会社だけの話ではありません。国土交通省が建設業許可業者を対象に行なった最新アンケート調査でも、同じような実態が数字として浮かび上がっています。📊
今回は国土交通省「賃金・法定福利費・安全衛生経費等に係るアンケート調査」(令和7年10月24日~11月28日実施)のデータをもとに、一人親方との取引の実態と、改正建設業法で努力義務となった「労務費の内訳明示」について、中小建設業の経営者・現場監督の皆さんにわかりやすく整理してみました。🏗️
調査でわかった、一人親方との「見積書なし」取引の実態💦
この調査は、35,000者の建設業許可業者に無作為にアンケートを送付し、6,051者から有効回答を得たものです。回答企業のうち34.2%が「継続的に従事する一人親方がいる」と回答しており、一人親方は建設現場を支える重要な戦力であることがあらためて確認できます。
一人親方に発注する理由として最も多かったのは「自社の技能者だけでは工事を完了しきれないため」というもの。人手不足が続く現場にとって、一人親方の存在はまさに欠かせないパートナーといえるでしょう。👷
一方で気になるのが、一人親方に対して見積書・契約書の作成・提出を求めていない事業者が一定数存在するという結果です。その理由として最も多かったのが「口頭で契約を交わしているため」で約67.5%、次いで「書類の必要がなかった」が約19.5%でした。
長年の信頼関係があるからこそ、あえて書面を求めなかったという背景がうかがえます。
出典:「賃金・法定福利費・安全衛生経費等に係るアンケート調査」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)
改正建設業法で「労務費の内訳明示」が努力義務に📝
ここで押さえておきたいのが、改正建設業法によって見積書に労務費等を内訳明示することが努力義務化されたという制度の変化です。今回のアンケートも、この改正建設業法の全面施行(令和7年12月12日)より前のタイミングで実施されており、施行直前の業界の実態を映し出す資料として非常に貴重なデータとなっています。
「口頭でいいや」で済ませてきた一人親方との取引も、今後は見積書に材料費・労務費を分けて明示する慣習へと少しずつシフトしていくことが求められます。書面化は手間に感じるかもしれませんが、後々の「言った・言わない」トラブルを防ぎ、適正な代金を受け取るための第一歩でもあります。✅
公共工事と民間工事、内訳明示の「差」がくっきり📊
同調査では、下請企業が直近の一現場で見積書に労務費を内訳明示した割合についても発注形態別に集計しています。公共工事では、一次下請で58.8%、二次下請で62.4%、三次下請以降では63.8%が内訳を明示しており、下請次数が大きくなるほど明示率が高い傾向が見られました。
一方、民間発注工事では一次下請54.5%、二次下請58.0%、三次下請以降では44.5%と、二次下請でピークを迎えたあと三次下請以降で明示率が下がる結果に。全体として見ると、公共工事の方が民間工事よりも労務費の内訳明示率が高いという傾向がはっきり出ています。
この差の背景には、公共工事では発注機関が標準見積書の活用や適正な契約を求める場面が多いのに対し、民間工事では発注者側の意識や慣習が事業者ごとに異なることが影響していると考えられます。自社が主にどちらの発注元と取引しているかによって、見積書のルール整備の優先度も変わってきそうです。🔍
出典:「賃金・法定福利費・安全衛生経費等に係るアンケート調査」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)
中小建設業がいま取れる対策は?🛠️
とはいえ「今すぐ全部書面化しろ」と言われても現場は簡単には動きません。まずは新規契約や大きめの工事から、材料費と労務費を分けた見積書のフォーマットを一つ用意してみるのがおすすめです。
既存の付き合いの長い一人親方には、口頭だけでなく「確認用のメモ」として簡単な見積書を渡すところから始めるだけでも、記録として大きな意味を持ちます。
また、公共工事を受注する機会がある事業者は、明示率が高い公共工事の慣行を参考に、民間工事にも同様のフォーマットを展開していくと社内の運用も統一しやすくなります。制度の後追いではなく、先取りで整えておくことが、将来的なトラブル防止とコスト管理の両方につながります。💡
まとめ
一人親方との取引は「信頼関係があるから書面は不要」という空気がまだ根強く残っていますが、改正建設業法による労務費の内訳明示の努力義務化を機に、少しずつ書面での見積り・契約に切り替えていくことが、発注者・受注者双方にとって安心できる工事につながります。
まずは一枚のフォーマットづくりから、無理のない範囲で始めてみましょう。😊
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出典:「賃金・法定福利費・安全衛生経費等に係るアンケート調査」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002009946.pdf)をもとに作成
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