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栃木県が進める大型公共プロジェクトが、いよいよ入札の段階に入りました。県立の美術館・図書館・文書館を一つの複合施設として再整備する事業について、県は2026年10月15日に入札公告を行ない、予定価格は1,029億5,000万円(税抜)と公表されています。
結論からいえば、この案件は大手だけの話ではありません。評価のしくみに県内企業の活用や地元雇用が組み込まれており、地域の専門工事会社や設備・維持管理の会社にとっても、長期にわたって仕事が生まれる可能性がある事業です。
この事業はPFI(PFIとは:公共施設の設計・建設・運営などを民間の資金やノウハウを活用して行なう手法)で実施され、方式はBTO方式(BTO方式とは:民間が施設を建設したあと所有権を県に移し、そのまま運営・維持管理を担う方式)です。
入札は企業グループで参加する形で、SPC(SPCとは:その事業のためだけに設立する特別目的会社)に出資する「構成員」と、出資しない「協力企業」に分かれます。SPCは栃木県内に株式会社として設立することが求められています。
さらに落札者を決める基準では、県内企業からの発注・地元雇用・県産材や県産品の活用などが評価のポイントとして明記されています。つまり、提案する企業グループにとって、地元の協力会社は「加点につながるパートナー」になり得るということです。
※画像はイメージです
事業場所は宇都宮市中戸祭1丁目(県体育館跡地)で、敷地面積は32,815.36㎡、施設の延床面積は約30,000㎡を想定しています。美術館の展示室や収蔵庫、図書館の書架・閲覧室、文書館の閲覧室などに加え、エントランスや講堂、カフェ・レストラン、ショップといった共通部分も整備されます。
事業期間は事業契約締結の日から2049年3月31日までです。予定では、設計・建設が2033年6月まで、運営・維持管理は2034年6月から2049年3月までと、15年近い長期の業務になります。
入札の主な日程は次のとおりです。
・参加表明書等の提出:2026年12月21日〜25日
・参加資格の確認結果の通知:2027年1月8日まで
・入札書類(提案書)の提出:2027年8月2日〜5日
・開札:2027年9月9日
選定は総合評価一般競争入札(総合評価一般競争入札とは:価格だけでなく提案内容の質も点数化して落札者を決める入札方式)で行なわれます。
配点は性能評価800点、価格評価200点の合計1,000点。性能評価の内訳は、事業計画・統括マネジメント240点、設計・建設240点、運営240点、維持管理80点です。価格よりも提案の中身が重視される配点だといえます。
※画像はイメージです
県は2026年9月にこの事業を特定事業として選定しています。その際の評価では、県が自ら整備・運営する場合と比べて、事業期間中の県の財政負担が約2.2%軽減される見込みとされました。設計から維持管理までを一括で発注し、ライフサイクルコスト(ライフサイクルコストとは:建設から運営、修繕、解体までにかかる費用の総額)を抑えることも狙いの一つです。
なお、事業契約の締結には栃木県議会の議決が必要とされています。今後は参加表明を経て企業グループが固まり、2027年の提案書提出に向けて、設計・施工・設備・維持管理の各分野で協力会社探しが本格化していくと考えられます。
元請として直接参加するには、業務ごとに実績や経営事項審査(経営事項審査とは:公共工事の入札に参加する建設業者の経営状況や技術力を点数化する審査)の基準など、細かな要件が設けられています。一方、協力会社として関わる道であれば、ハードルの考え方は変わってきます。
まずは自社の得意分野や施工実績、対応できる人員を整理し、提案に関わりそうな企業へ説明できる状態にしておくことが第一歩です。運営・維持管理期間は長期に及ぶため、建物の保守や清掃、設備管理といった分野も見逃せません。
入札公告の資料一式は県のホームページで公開されているので、要求水準書などに目を通しておくのもおすすめです。
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事業に含まれる主な業務と期間(予定) |
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業務 |
主な内容 |
期間 |
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設計・建設 |
事前調査、設計、建設工事、工事監理、備品調達、近隣対応など |
契約締結〜2033年6月 |
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開館準備 |
開館に向けた準備(県と協働) |
2031年4月〜2034年5月 |
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維持管理 |
建築物・設備の保守、修繕・更新、植栽、清掃、警備、駐車場・駐輪場管理など |
2034年6月〜2049年3月 |
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運営 |
利用案内、展示、教育普及、集客、附帯事業など(県と協働) |
2034年6月〜2049年3月 |
出典:【入札公告】栃木県「文化と知」の創造拠点整備運営事業について(栃木県)(https://www.pref.tochigi.lg.jp/c11/houdou/261015.html)掲載の特定事業の選定をもとに作成
予定価格1,029億5,000万円、2049年まで続く長期事業は、県内の建設会社にとって数年単位で関わる可能性のある大きなチャンスです。企業グループの形成が進むこの時期こそ、自社の強みを見える化して声がかかる準備を整えておきましょう。
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出典:【入札公告】栃木県「文化と知」の創造拠点整備運営事業について(栃木県)(https://www.pref.tochigi.lg.jp/c11/houdou/261015.html)をもとに作成
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