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スマートフォンやインターネット、企業のネットワークは、目に見えない「通信インフラ」に支えられています。その配線や設備工事を担う人材が、いま大きく減っています。
総務省は、情報通信工事を担う業界の人材確保に本格的に乗り出しました。電気通信工事に関わる会社にとって、今は自社の技術や人材の価値を見直す好機といえます。
総務省は、令和7年度補正予算で「情報通信エンジニアリング業界の持続可能性の確保」に関する事業を開始しました。情報通信エンジニアリング業界(情報通信エンジニアリング業界とは:通信インフラの設計、工事、維持管理などを担う業界)に人材を呼び込み、育成し、定着させる「エコシステム」をつくることが目標です。
あわせて総務省は、2025年10月に「電気通信設備エンジニア室」を新たに設置し、取組を進める体制を整えました。通信インフラの工事を担う人材を、国として支える方向がはっきり示されたといえます。
※画像はイメージです
総務省は、社会経済活動を維持するには、情報通信インフラの継続的な更新が不可欠だとしています。ここでいう情報通信インフラには、物理的な回線や通信設備と、論理的なネットワークの両方が含まれます。
一方で業界には、情報発信主体の不在、スキルやキャリアの不明確さ、複雑な業界構造、人材の高齢化といった課題があると総務省は指摘しています。その結果、人材の確保や、ベテランから若手へのスキルの継承・習得が難しい状況になっています。
現場で働く方にとっては、「仕事の中身が外から見えにくい」「どんな技能を身につければ一人前なのかが伝わりにくい」と言い換えると、実感しやすいのではないでしょうか。
総務省の「ICTの経済分析に関する調査」(2024年度)によると、情報通信関連建設業の雇用者数は、2000年の12.3万人から2023年には2.7万人へ減少しています。20年あまりで、8割近くが減った計算です。
インフラの更新が欠かせない一方で、工事を担う人は大きく減っています。このままでは、通信インフラの継続的な更新を担う人材が足りなくなるおそれがあります。
今回の事業では、業界の実態把握、業界構造や必要なスキルの見える化、そして業界の重要性や人材難についての社会的な認知度・訴求力の向上に取り組むとされています。
さらに、必要なスキルの違いに応じて、取組を2つに分けて進めています。
物理層(物理層とは:回線の配線や電源・土木工事など、通信設備を物理的に設置する工事の領域)
ネットワーク層(ネットワーク層とは:インターネットへの接続やサービス展開の基盤となる、論理的な通信環境を構築・設定する領域)
建設業との関わりが深いのは、配線や電源・土木工事を含む「物理層」です。必要な技能が整理されて社会に示されれば、通信工事の仕事内容が若い世代や他業種の人にも伝わりやすくなり、採用や育成の追い風になることが期待されます。
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国の取組が進むのを待つだけでなく、各社でできる準備もあります。
1つ目は、自社の技能の言語化です。配線、電源工事、土木工事など、社員が持つ技能や経験を一覧にしておくと、求人票や教育計画にそのまま使えます。
2つ目は、年齢構成と技能継承の確認です。高齢化が課題とされる中、特定のベテランにしかできない作業がないかを洗い出し、若手と組ませる計画を立てておくと安心です。
3つ目は、仕事の魅力の発信です。業界には情報発信主体が不在だと指摘されています。自社の現場の様子や通信インフラを支える役割を、ホームページやSNSで伝えることも採用の第一歩になります。
通信インフラの工事を担う人材は大きく減っており、総務省は専門の室を設けて業界の持続可能性の確保に取り組み始めました。技能の見える化が進むこれからは、自社の強みと人材をしっかり整理している会社ほど、選ばれやすくなるはずです。
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出典:令和8年版 情報通信白書「情報通信エンジニアリング業界の持続可能性確保」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd222470.html)をもとに作成
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