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「まあいいか」で済ませた小さなムダ。1回なら気にならなくても、積み重なると会社のお金を静かに削っていきます。
たとえば、探し物に10分、確認のための電話に5分、使い切れない材料の追加購入に数千円。ひとつひとつは「仕方ない」で片づけがちですが、経営の視点では立派なコストです。💰
特に中小の建設会社では、社長自身が現場と見積、顧客対応まで抱えていることがあります。そのため「これくらいなら自分がやればいい」「前からこうしている」と、ムダを数字にしないまま仕事が続きがちです。
問題は、ムダが大きいか小さいかではありません。数字にしない限り、どこから手をつけるべきか判断できないことです。
では、社長の「まあいいか」は年間いくらになるのでしょうか。ポイントは、会社の中にある「時間」「材料」「移動」「やり直し」の4つから考えることです。
現場でよくあるのが、図面や写真、工具、伝票などを探す時間です。1回10分でも、1日に2回あれば20分。月20日なら約6時間40分です。さらに1年間続けば、単純計算で約80時間になります。⌛
ここで大切なのは、「80時間も探している」と責めることではありません。探し物が発生するたびに、誰かの仕事が止まっていると考えることです。職人や現場監督の時間には、人件費だけでなく、その時間にできたはずの作業や確認も含まれています。
同じように、電話や確認の往復も数字にできます。「確認に5分かかった」という記録を1週間つけるだけでも、どこに時間が流れているかが見えてきます。
ムダを金額に変えるときは、難しい会計知識は必要ありません。基本は「1回あたりのムダ×発生回数×1回あたりの単価」です。
たとえば、材料の買い直しが月2回あり、1回3,000円なら、年間では3,000円×2回×12カ月で72,000円。移動時間でも、1回30分の余計な移動が月8回なら、年間48時間です。🚚
時間の単価は、厳密な利益計算を最初から求めなくても構いません。まずは「誰が、何分、何回、何のために時間を使ったか」を記録することから始めます。
さらに、やり直しは見落としやすいムダです。寸法の確認漏れ、伝達不足、必要な写真の撮り忘れなどは、材料費だけでなく再訪や再作業につながることがあります。「ミスをなくす」だけを目標にせず、「どんなやり直しが何回起きたか」を数えると、改善しやすくなります。
ムダを洗い出すと、「あれもこれも直さなければ」と感じるかもしれません。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。📋
おすすめは、1週間だけ記録して、金額や時間が大きかったものを3つ選ぶ方法です。「探す」「待つ」「買い直す」「移動する」「やり直す」など、気づいたことをメモします。
そのうえで、①すぐやめられるもの、②ルールを決めれば減らせるもの、③設備や仕組みが必要なもの、の3つに分けます。
たとえば、置き場所を決めるだけで減る探し物なら、すぐ取り組めます。一方、材料の発注方法や情報共有の仕組みを変えるなら、社内で相談してから進めたほうがよいでしょう。🛠️
重要なのは、「ムダを見つけた人を責めない」ことです。現場には、忙しいからこそ生まれるムダがあります。責任追及ではなく、「どうすれば次は1回減らせるか」という視点で考えると、改善が続きやすくなります。
「まあいいか」は、現場を回すための便利な言葉でもあります。すべてを細かく管理していては、仕事が進まない場面もあります。だからこそ、全部をなくすのではなく、会社のお金や時間に大きく影響する「まあいいか」だけを拾うことが大切です。📈
月末に「今月、何に時間とお金を使ったか」を10分だけ振り返るのも有効です。ムダをゼロにするのではなく、先月より1つ減らす。その積み重ねが、利益を守る力になります。
社長の感覚だけで「たぶん小さい」と決めず、一度数字にしてみる。すると、思ったより小さいムダもあれば、意外と大きなムダも見つかります。数字は責めるためではなく、改善する場所を教えてくれる道具です。
「まあいいか」で流している時間や出費は、1回だけなら小さく見えても、年間で考えると無視できない数字になることがあります。まずは1週間、探し物・待ち時間・買い直し・移動・やり直しを記録し、「回数×単価」で計算してみましょう。🔎
小さなムダを見つけることは、現場を細かく縛ることではありません。会社に残すべき時間とお金を取り戻すことです。今日の「まあいいか」を、明日の改善材料に変えてみてはいかがでしょうか。
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