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「売上はあるのに、手元に現金がない」。秋口になると、建設業の中小企業経営者からよく聞かれる言葉だ。完工後の入金が年明けにずれ込む一方で、賃金・材料費・外注費は毎月出ていく。11月から翌1月にかけては支払いが重なりやすい時期であり、今のうちに手を打っておきたい。
本記事では、経営者・事務担当者が押さえておくべきポイントを整理する。
建設業は、工事の完成・引き渡しから入金まで数十日〜数か月のタイムラグが生じやすい。特に公共工事は検査や精算に時間がかかり、秋以降に竣工した案件の入金が年末〜翌年1月になることも多い。
その間にも、次のような支払いが集中する。個人事業主(一人親方など)は所得税の予定納税の第2期が11月にある。12月に賞与を支給すれば、賞与にかかる社会保険料が翌1月末の納付に上乗せされる(社会保険料は前月分を当月末に納める仕組み)。さらに、源泉所得税の納期の特例(給与の支給人員が常時10人未満の事業者が対象)を受けている会社は、7〜12月分を翌年1月20日までにまとめて納付する。
こうした支払いを事前にカレンダーに書き出しておくだけでも、資金不足のリスクはかなり下げられる。
※画像はイメージです
(1)入金を早める
公共工事なら、前払金・中間前払金や部分払の制度を確認したい。民間工事でも、契約に出来高払い(工事の完成を待たず、進捗に応じて代金を支払う方式)の条項があれば積極的に使う。請求書を電子化すれば郵送の日数を省けるため、締め日に間に合わず入金が翌月にずれ込むといった事態も防ぎやすくなる。
(2)支出のタイミングを整える
支払日を分散させ、入金予定日と揃えることで、特定の日への資金集中を避けられる。ただし、下請への支払いを遅らせるのは禁物だ。建設業法では、元請は注文者から代金を受け取ってから1か月以内に下請へ支払うことなどが定められている。資材の製造委託や運送委託には、2026年1月に施行された取適法(旧下請法)が適用される場合もある。
(3)融資を活用する
売上減少などの要件を満たせば、セーフティネット保証(中小企業が通常より有利な条件で信用保証を受けられる制度)や、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付を利用できる。保証は市区町村の認定を受けてから金融機関に申し込む流れで、融資の実行までには一定の日数がかかる。自社が対象になるかどうかも含め、資金が必要になる前に相談することが大切だ。
インボイス制度は2026年10月で開始から3年が経過し、経過措置が変わった。免税事業者からの仕入れについて、これまで消費税相当額の80%を控除できたが、2026年10月以降は70%に下がった(その後も段階的に縮小)。免税の一人親方への外注が多い元請ほど、納める消費税が増える点に注意したい。
消費税の確定申告・納付の期限は、個人事業者が翌年3月31日、法人が事業年度終了後2か月以内だ。前年の納税額が一定額を超えると中間納付も発生し、その時期は決算期によって異なる(3月決算の法人なら11月末など)。自社の納付月を顧問税理士と確認しておくと安心だ。年末調整の事務も11月下旬〜12月に集中するため、早めの準備が欠かせない。
資金繰り改善の第一歩は、現状を正確に把握することだ。
エクセル管理は手軽な反面、入力ミスや更新漏れが起きやすい。freee会計やマネーフォワード クラウド会計といったクラウド会計ソフトなら、銀行口座と連携して入出金を自動で取り込み、キャッシュフロー(一定期間の現金の出入り)の推移を確認できる。
複数の現場を抱える会社は、工事原価管理機能を持つ建設業向けソフトで、現場ごとの原価や入金予定を一元管理するのも有効だ。
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11月以降の資金繰り悪化を防ぐには、「入金を早める」「支出のタイミングを整える」「税金と保険料の納付月を把握する」の三つを並行して進めることが欠かせない。インボイスの経過措置の変更や融資のリードタイムなど、どれも気づいてからでは遅い。今月中に資金繰り表を更新し、11月〜翌1月の支払いを洗い出しておくことが、年末の現金不足を防ぐ最大の対策になる。
年末の資金繰りを乗り切るためには、協力会社との関係強化や案件の継続確保も重要です。外注先の開拓・人手の確保には、無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』へのご登録をぜひご検討ください(緑のバナーをクリック)。
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