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「BIMは大手ゼネコンや設計事務所の話」と感じている方も多いのではないでしょうか。国土交通省の検討会で示された「建築ライフサイクルDX戦略(案)」では、BIMマネージャー等の育成も含めた導入支援により、中小事業者におけるBIMの活用を促進する方針が盛り込まれました。
デジタル技術を扱える人材をどう育てるかは、これからの中小建設会社にとって避けて通れないテーマになりそうです。
戦略案は、BIM(BIMとは:建物の形状や部材、仕様などの情報を3次元のデジタルモデルにまとめて管理する手法)について、「中小事業者への普及も限定的である」と課題を明記しています。さらに、担い手不足の深刻化が懸念される中、生産性向上を支える技術について、中小事業者を含めた幅広い主体が活用できる環境整備が求められているとも指摘しています。
つまり、人が足りないからこそデジタル技術で補う必要があるのに、その技術を使いこなせる人材や環境が中小事業者に行き渡っていない、という構図です。
人材育成を急ぐべき理由は、制度の変化にもあります。
2026年4月には、建築確認におけるBIM図面審査(BIM図面審査とは:BIMで作成した図面をもとに建築確認の審査を行なう仕組み)が始まりました。さらに、PDF形式ではなくIFC(IFCとは:異なるソフト間でBIMデータをやり取りするための共通データ形式)データそのものを審査対象とする「BIMデータ審査」は、2029年春の制度開始を目指すとされています。
BIMを扱える人が社内にいるかどうかが、取引先とのやり取りに影響していく可能性があります。
建築分野のデジタル化に関わる主なスケジュール
時期 |
内容 |
|---|---|
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2026年4月 |
建築確認におけるBIM図面審査が開始 |
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令和8年11月 |
戦略案のパブリックコメント・公表(予定) |
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2028年度 |
建物のライフサイクルカーボン評価制度の開始に向けた動き |
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2029年春 |
IFCデータそのものを審査対象とする「BIMデータ審査」の制度開始を目指す |
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2030年頃 |
建築ライフサイクルDX戦略の目標時点(1〜2年程度を目安に見直し) |
出典:「建築ライフサイクルDX戦略(案)」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028336.pdf)、「「建築ライフサイクルDX戦略」について」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028324.pdf)をもとに作成
戦略案は3つの目標の一つに「生産性の向上・技術の民主化・担い手の多様化」を掲げ、AI・ロボティクス等の活用と、人とAI・ロボットの協働により、生産性を向上し、多様な担い手の参画を実現するとしています。
また、施工合理化等システムやAIロボティクス等の汎用化を進め、中小事業者を含む幅広い事業者が活用できる環境を整備し、技術の民主化(技術の民主化とは:ここでは、先端技術を一部の大手だけでなく中小事業者を含む幅広い事業者が使えるようにすること)と担い手の多様化を促進する方向性も示されました。技術の導入にあたっては、低コストかつ導入しやすい技術・サービスとすることにも触れています。
施工段階については、施工管理のデジタル化を進め、工程管理や品質管理、現場事務の自動化等を推進すると書かれています。現場の働き方そのものが変わっていく前提で、人材育成を考える必要がありそうです。
なお、戦略は2030年頃を目標時点とし、1〜2年程度を目安に見直す方針です。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028324.pdf)
まず、社内のデジタル担当を一人決めることです。いきなり全員がBIMを扱う必要はありません。関心のある若手を中心に、窓口となる人を置くことで情報が集まりやすくなります。
次に、日々の書類や記録のデジタル化から慣れることです。施工管理や現場事務のデジタル化は戦略案でも明記されており、身近な業務から始めることで抵抗感を減らせます。
そして、国の導入支援の動向を追うことです。BIMマネージャー等の育成を含む支援が打ち出されているため、今後の具体策が出たときにすぐ動ける準備をしておきましょう。
戦略案に示された中小事業者・担い手に関する主な方向性
テーマ |
戦略案での記載内容 |
|---|---|
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現状の課題 |
BIMの中小事業者への普及は限定的。担い手不足の深刻化が懸念される |
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BIM人材の育成 |
BIMマネージャー等の育成も含めた導入支援により、中小事業者のBIM活用を促進 |
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施工現場 |
施工管理のデジタル化を進め、工程管理・品質管理・現場事務の自動化等を推進 |
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新技術の導入 |
施工合理化等システムやAIロボティクス等を、中小事業者を含む幅広い事業者が試行・導入できるよう推進。低コストかつ導入しやすい技術・サービスとする |
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担い手のあり方 |
人とAI・ロボットの協働により生産性を向上し、多様な担い手の参画を実現 |
出典:「建築ライフサイクルDX戦略(案)」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028336.pdf)をもとに作成
建築ライフサイクルDX戦略(案)は、中小事業者を含む幅広い担い手がデジタル技術を使える環境づくりを打ち出しました。BIMやデジタル施工は「人を減らす道具」ではなく、「多様な人が活躍できる道具」として、社内の人材育成に組み込んでいきたいところです。
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出典:
・「建築ライフサイクルDX戦略(案)」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028336.pdf)
・「「建築ライフサイクルDX戦略」について」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002028324.pdf)をもとに作成
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