結論:建設分野に「育成就労協議会」が始動、転籍制限は原則2年
2026年6月23日、国土交通省の呼びかけで「建設分野育成就労協議会」の第1回会合が開かれました。🏗️これは技能実習制度に代わって導入される育成就労制度に対応するため、国土交通省が受入企業や業界団体などをメンバーとして組織したものです。
結論から先にお伝えすると、外国人材が育成就労中に転職(転籍)できるまでの制限期間は、建設分野では原則2年と定められました。
これは他産業と比べても長めの設定で、現場を抱える中小建設企業にとって知っておくべき重要な変更点です。📌
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk3_000001_00022.html)
なぜ建設業だけ転籍制限が2年になったのか
会合では、建設分野の上乗せ措置として転籍制限期間を原則2年とする理由が説明されました。
建設業では、必要な技能を身につけるための工事の施工期間が1年を超えることも多く、短期間での転籍を許すと現場運営に支障が出やすいという事情があります。🚧
また都市部と比べて地方部の離職率が高く、同一の受入企業のもとで継続して働き続けてもらう必要性が高いことも理由の一つです。
さらに、建設分野は他産業に比べて外国人労働者の労働災害発生率が高く、安全衛生教育に一定の時間をかける必要があることも踏まえられています。⚠️
こうした事情から、当面は2年間の転籍制限を設ける方針が示されました。
知っておきたい「昇給ルール」と加入義務
ここで中小企業が特に注意したいのが、転籍制限期間を1年を超えて設定する育成就労実施者に課される待遇向上策です。💰
建設分野育成就労協議会は毎年、建設業の前年の平均賃金上昇率を設定・公表することになっており、1年を超える転籍制限を設ける受入企業は、在籍する育成就労外国人の所定内賃金を1年目から2年目にかけて、この上昇率以上に昇給させることが必要になります。つまり「転籍を制限する分、賃金でしっかり応える」という仕組みがセットになっているわけです。
また、育成就労実施者は協議会への加入も必須です。
ただし、(一社)建設技能人材機構(JAC)に所属している育成就労実施者は、すでに協議会に加入しているものとみなされる点も確認しておきましょう。✅
育成就労の目標とキャリア形成の考え方
会合ではあわせて「建設分野の育成・キャリア形成プログラム(案)」についても説明が行なわれ、提案どおり協議がまとまりました。📝
育成就労制度全体の目標として、1年目試験では技能検定基礎級等の合格に加え、日本語能力A1相当の試験合格または講習受講が求められます。就労を続ける中では、日本語能力A2相当の水準まで引き上げていくことが目安とされています。
なお1年目試験に不合格でも育成就労自体は継続できる仕組みになっており、外国人材にとっても学びながら現場で経験を積みやすい設計です。
加えて、育成就労外国人には必須業務を全体の3分の1以上、安全衛生に関する業務を全体の10分の1以上担当させる必要があるとされ、教育とキャリア形成を現場の実務としっかり結びつける方向性が示されています。👷
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk3_000001_00022.html)
中小建設企業がいま準備しておきたいこと
今回の協議会設置と2年ルールの決定を受けて、中小建設企業が対応しておきたいポイントは大きく3つあります。
1つ目は、外国人材の受入れを検討している場合、協議会への加入状況(JAC所属か否か)を早めに確認しておくことです。
2つ目は、転籍制限期間を1年超に設定する場合には、協議会が公表する賃金上昇率をチェックし、昇給計画をあらかじめ社内で用意しておくことです。
3つ目は、日本語学習や技能検定の受験サポートなど、育成就労外国人が1年目試験・A2水準に向けて無理なくステップアップできる社内体制を整えることです。
会議資料や議事概要は国土交通省のホームページで開催後に公表される運用となっているため、今後も同協議会の発表を定期的に確認しておくと安心です。🔍
まとめ
建設分野育成就労協議会の発足により、外国人材の受入れルールがより明確になりました。転籍制限は原則2年、その裏側には昇給ルールという「待遇向上策」がセットで用意されています。
制度の詳細を理解し、早めに社内の受入体制を整えておくことが、これからの外国人材との円滑な協働につながります。🤝
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出典:協議会開催案内【育成就労制度(建設分野)】(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk3_000001_00022.html)をもとに作成










