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「この仕事はまだ早いから、俺がやる」。現場では、経験のある職人や現場監督が、若手の代わりに段取りを済ませることがあります。忙しい現場ほど、経験者が先回りしたほうが早く進む場面もあるでしょう。🔨
ただ、その状態が続くと、若手は「言われた作業をする」ことには慣れても、次に何が必要なのかを自分で考える経験が増えません。仕事を覚えてきた若手に、少しずつ段取りを任せてみることは、現場を見る力を身につけるきっかけになります。
段取りとは、作業を始める前に必要な人、材料、道具、作業場所、順番などを確認し、仕事を進める準備をすることです。
たとえば、翌日の作業を考えるなら、「何をするか」だけでは足りません。必要な材料はそろっているか、使う工具は準備できているか、先に終わらせる作業はないか、ほかの職種との調整は必要か、といった確認が必要になります。🧰
ベテランにとっては当たり前に見える確認でも、若手にとっては経験しなければ分からないことがあります。だからこそ、段取りそのものを仕事の一部として経験してもらう意味があります。
※画像はイメージです
若手育成でありがちな失敗が、「今日から段取りを全部やってみて」と一気に任せてしまうことです。本人にとっては、どこまで考えればいいのか分からず、かえって動きにくくなることがあります。
最初は範囲を限定するのがおすすめです。たとえば「明日の午前中に使う材料を確認する」「必要な工具をそろえる」「次の作業に入る前に確認することを3つ考える」などです。📋
小さな仕事でも、自分で考えて準備し、先輩に確認してもらう。この流れを繰り返すことで、「作業を始める前に考える」という習慣をつくりやすくなります。
若手が考えた段取りを確認するとき、先輩がすぐに正解を教えてしまうと、若手は「聞けば答えを教えてもらえる」という状態になりやすくなります。
そこで、「この順番にした理由は?」「材料が足りなかったらどうする?」「この作業の前に確認することはない?」と、考えた理由を聞いてみます。💡
もちろん、安全や品質に関わること、経験不足によって判断できないことは、先輩がきちんと確認する必要があります。そのうえで、若手自身に考えてもらえる部分は残すことが大切です。
段取りを任せれば、最初から完璧にできるわけではありません。「確認するのを忘れた」「順番を変えたほうがよかった」といったことも起こります。
そんなときに大切なのは、失敗だけを責めて終わらせないことです。「どの時点で気づけたか」「次は何を確認するか」まで一緒に振り返ります。🔧
たとえば、材料確認を忘れたのであれば、翌日からチェック項目に加える。連絡が遅れたのであれば、作業前日に連絡する時間を決める。こうして経験を次の段取りに反映させれば、同じ仕事でも少しずつ考える範囲が広がっていきます。
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最初は材料や工具の確認だけ。慣れてきたら作業順を考える。その次は関係する人への声かけまで任せる。このように、できることに合わせて担当範囲を広げていきます。
大切なのは、若手に任せることと、放っておくことを混同しないことです。任せた後には確認する時間をつくり、必要なところでは先輩が支える。「任せる→確認する→振り返る」を繰り返すことで、若手も安心して次の仕事に挑戦できます。👷
そして、若手が段取りを考えるようになると、先輩側にも変化があります。「自分はいつも何を確認しているのか」を言葉にする機会が増えるからです。これまで経験だけで判断していたことを、後輩に説明することで、ベテラン自身の仕事を整理するきっかけにもなります。
若手に段取りを任せることは、単に先輩の仕事を減らすためではありません。材料、道具、人、順番などを自分で考える経験を積むことで、少しずつ現場全体を見る視点が身についていきます。🌱
まずは「明日の作業で必要なものを考えてみて」と、小さな範囲から任せてみる。若手が考えた答えを一緒に確認することから、次の現場を支える人材づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
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