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リフォーム業界における人手不足は、年々深刻さを増している。国土交通省の調査によれば、建設技能者の高齢化が進み、若年層(29歳以下)の割合は全体の約11%にとどまる。中小のリフォーム会社にとって、ハローワークや求人媒体への掲載だけでは採用競争に勝てない時代が到来している。そうした状況のなかで、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を採用ツールとして活用し、着実に応募者を集めている会社が出てきた。本記事では、リフォーム会社が取り組むべきSNS採用戦略の具体的な方法を解説する。
求職者の行動様式は大きく変化している。20代・30代の求職者の多くは、応募前に企業のSNSアカウントや口コミサイトを確認する習慣を持つ。求人票に記載された条件だけでなく、「実際にどんな現場で、どんな人たちが働いているか」をSNSで調べたうえで応募を判断するのだ。
裏を返せば、SNSで現場の雰囲気や社風を発信できていない会社は、求職者から「実態がわからない」と判断されて候補から外されるリスクがある。自社の魅力を自分たちの言葉で発信する手段として、SNSはきわめて有効である。
SNSといっても種類は多岐にわたる。リフォーム会社の採用目的においては、Instagram・YouTube・LINE公式アカウントの3つが特に有効である。それぞれの特徴と使い方を整理する。
Instagramは、ビフォーアフターの施工写真や現場の動画を視覚的に伝えるのに適している。仕上がりの美しさや職人の技術を見せることで、仕事へのプライドや職場の雰囲気を伝えられる。投稿には施工内容や勤務条件を添えたキャプションを記載し、プロフィール欄に求人ページへのリンクを設置すると効果的だ。週に2〜3回の定期投稿を継続することで、フォロワーを少しずつ増やしていける。
YouTubeは、職人へのインタビュー動画や一日の仕事の流れを紹介する動画コンテンツに向いている。テキストや写真では伝えにくい「働く空気感」を動画で届けることができ、応募前の不安解消につながる。1本あたり3〜5分程度のショート動画から始めると、制作負担を抑えながら運用できる。YouTubeの動画はGoogle検索にも引っかかるため、SEO(検索エンジン最適化)面でも効果が期待できる。
LINE公式アカウント(LINEが提供する企業向けビジネスアカウント)は、応募後のコミュニケーション効率化に活躍する。求人への問い合わせをLINEで受け付けることで、メールより気軽に連絡できる環境をつくり、応募のハードルを下げられる。採用選考の案内や面接日程の調整もLINE上で完結できるため、候補者の離脱防止にも効果的だ。
SNS運用で多くの中小企業が直面するのが、「何を投稿すればいいかわからない」という問題だ。特別なコンテンツを用意しなくても、現場の日常を切り取るだけで十分な素材になる。
たとえば、現場完了後のビフォーアフター写真、朝礼の様子、職人が丁寧に仕上げている手元のクローズアップ、工具の手入れ風景などは、いずれも職場の雰囲気を伝えるうえで有効なコンテンツとなる。「きれいに見える写真を撮らなければ」と気負う必要はなく、スマートフォンで撮影したリアルな写真のほうが、かえって親近感を生むことも多い。
また、投稿担当者を特定の人間に固定するのではなく、現場のリーダーや若手社員に持ち回りで投稿を任せる仕組みをつくると、発信が途切れにくくなる。投稿内容の簡単なガイドライン(掲載してはいけない情報、使用するハッシュタグの例など)を社内で共有しておくと、担当者の変更にも対応しやすい。
※画像はイメージです
SNSを採用に活用する際には、いくつかの注意点を押さえておく必要がある。
第一に、個人情報・顧客情報の管理を徹底することだ。施工写真をSNSに投稿する場合は、事前に施主から掲載の許可を得ておく。施工物件の住所が特定できる情報や、施主の顔が映り込んだ写真の掲載は厳禁である。
第二に、採用に関する虚偽情報の掲載を避けることだ。SNSで発信した内容と実際の労働条件が大きく乖離していると、早期離職や口コミによる評判低下につながりかねない。発信する情報は現実と一致させることが信頼のベースとなる。
第三に、継続性を重視することだ。SNSの効果は短期間では出にくい。数カ月間継続的に投稿することで、フォロワーが増え、検索にも引っかかりやすくなる。「効果が出ない」と途中でやめてしまうことが最大のリスクであることを念頭においておきたい。
SNSは、大きな広告費をかけることなく、自社の魅力を求職者に直接届けられる強力な採用ツールである。リフォーム会社にとっての勝負どころは、投稿の「質」ではなく「継続とリアルさ」にある。現場の日常を発信し続けることが、やがて「ここで働いてみたい」という応募動機に結びつく。人手不足が続く時代だからこそ、SNSを通じた採用ブランディングに今すぐ取り組む価値がある。
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