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「人によって言うことが違う」と言われたら、まず責めるより「そう聞こえている」という事実を受け止めたいところです。建設現場では、同じ作業でも経験や立場によって伝え方が変わり、「昨日はこう言われたのに、今日は違う」と新人や若手が戸惑うことがあります。
問題は、誰かが間違っていると決めつけることではありません。会社として「何を基準に判断するか」をそろえることが、混乱を減らす近道です。
現場では、職長は「まず安全確認」、先輩は「この順番でやって」、監督は「工程を優先して」と、それぞれ別の視点から声をかけることがあります。どれも間違いとは限りません。
ところが新人から見ると、指示が三つ並んだだけです。🤔「結局、どれを優先すればいいの?」となれば、確認すること自体をためらってしまう可能性があります。
特に怖いのは、本人が「自分の理解が悪い」と思い込むケースです。聞き返さなくなれば、作業の手戻りだけでなく、安全面の確認にも影響します。
「人によって言うことが違います」という言葉が出たら、個人への苦情として片付けず、現場の情報共有を見直すきっかけにしてみましょう。🔎
こうした場面でありがちなのが、「○○さんが間違っている」と犯人探しを始めることです。 しかし、実際には「作業手順」「安全上の注意」「現場ごとの判断」「新人への教え方」など、話している階層が違うだけかもしれません。
そこで、指示が食い違ったときは、次の3点を確認します。
①何についての指示なのか
②どちらが優先されるルールなのか
③その判断を誰が最終的に決めるのか
この3つを言葉にすると、単なる「言った・言わない」の話から、判断基準の話へ変えられます。🛠️
建設業では、ベテランの経験が大きな財産です。一方で、「いつもこうしている」が口頭だけで受け継がれていると、人によって説明が変わりやすくなります。そこで有効なのが、重要なことだけでも「会社・現場としての共通ルール」にしておく方法です。
たとえば、新人に作業を教える際、
*「まずここを確認する」
*「迷ったらこの人に聞く」
*「変更があったら全員に共有する」
といった基本線をそろえておきます。
細かな技術まで全部マニュアル化する必要はありません。📋 むしろ「迷ったときの戻り先」を決めておくことが重要です。
教える側にもコツがあります。まず「何をするか」。次に「なぜそうするか」。最後に「迷ったらどうするか」。
たとえば「ここを先にやって」だけではなく、「今日はこの工程を先に進める。理由は後工程との取り合いがあるから。判断に迷ったら私に確認して」と伝えます。 これなら、別の人から違う説明を受けたときも、本人が比較しやすくなります。
また、指示を変更した場合は、「前の指示から変わった」と明確に伝えることも大切です。変更そのものが悪いのではありません。変更されたのに、以前の指示が残ったままになることが問題です。🔄
※画像はイメージです
もし社員から「人によって言うことが違います」と言われたら、最初の返し方も重要です。
「誰がそんなこと言ったの?」と聞くより、「どの場面で違っていた?」「どの指示で迷った?」「次からどう決めておけば分かりやすい?」と聞いてみましょう。すると、本人の不満を聞くだけでなく、実際にどこで情報が分断されているのかを確認できます。
そして、原因が分かったら、その場限りで終わらせないこと。朝礼や申し送りで共有する、決定事項を簡単に残す、担当者間で認識を合わせるなど、同じ混乱が起きにくい仕組みに変えていきます。💡
「人によって言うことが違う」という問題は、ベテランの知識が悪いのではありません。むしろ、会社に蓄積された経験をどう共有するかという問題です。
一人の職人が長年の経験から判断していることを、他の人にも伝わる形にできれば、新人教育にも役立ちます。 大切なのは、ベテランに「教え方を変えてください」とだけ求めるのではなく、「会社として何を共通にするか」を一緒に決めること。
経験を否定せず、経験を共有できる形にする。これが、世代交代にもつながります。👷
「人によって言うことが違う」と言われたら、誰が正しいかを決める前に、「どこで判断基準が分かれているのか」を確認してみましょう。指示の優先順位や迷ったときの確認先をそろえるだけでも、現場の戸惑いは減らせます。
人が変わっても、基本の判断基準は変わらない。そんな現場づくりが、新人の安心とチームの動きやすさを支えてくれます。
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