記事を読み込み中です

🧰全国の橋やトンネルがどれくらい老朽化しているか、公的データからきちんと把握できていますか。
国土交通省が公表した「道路メンテナンス年報(令和7年度)」によると、2025年度末時点で修繕などの措置が必要と判定された橋は5万1046橋、トンネルは3016カ所にのぼりました。実はこの年報、単なる国のインフラ統計ではなく、「点検サイクルをどう回し、データをどう経営判断に活かすか」という視点で読むと、中小建設業の経営にも通じるヒントが詰まっています。😊
今回は、この年報から読み取れる現状と、データ活用のヒントを整理してご紹介します。
まず具体的な数字を確認しましょう。年報によると、全国の総橋梁数725,525橋のうち、早期措置段階(判定区分Ⅲ)または緊急措置段階(判定区分Ⅳ)と判定された橋は51,046橋で、内訳は区分Ⅲが50,434橋、区分Ⅳが612橋でした。この判定区分Ⅲ・Ⅳの橋の数は、2018年度末の69,051橋、2023年度末の56,463橋から年々着実に減ってきています。📉
一方でトンネルは総数11,353カ所のうち3,016カ所(区分Ⅲが2,990カ所、区分Ⅳが26カ所)が措置が必要と判定されており、割合にすると全体の約26%を占めています。さらに横断歩道橋や大型カルバートなどの道路附属物等についても、総数41,914施設のうち4,790施設が判定区分Ⅲ・Ⅳとなりました。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint_r07.html)
この数字の背景には、国が定めた「点検を仕組み化する」というマネジメントの考え方があります。
年報によれば、2012年に発生した笹子トンネルの事故を教訓に、すべての道路管理者は2013年の道路法改正等を受け、2014年7月より5年に1回の頻度で近接目視による点検を実施しているとのことです。🔍現在は3巡目にあたる点検(2024〜2025年度)が進行中で、全道路管理者の実施率は橋梁で39%、トンネルで34%、道路附属物等で38%となっています。
管理者別に見ると、橋梁の3巡目実施率は国土交通省42%、高速道路会社41%、地方公共団体39%と、いずれも道半ばの状況です。定期点検→判定→措置というサイクルを一定のルールで回し続けている点は、自社の設備や車両の点検管理を仕組み化するうえでも参考になる考え方ではないでしょうか。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint_r07.html)
もう一つ学びになるのが、判定区分Ⅲ・Ⅳとされた施設のうち、実際に修繕まで終わっている割合を「見える化」している点です。
年報では2巡目点検で判定区分Ⅲ・Ⅳとなった施設の修繕完了率(2025年度末時点)が示されており、橋梁は全体で46%、管理者別では国土交通省52%、高速道路会社52%、地方公共団体45%となっています。トンネルの修繕完了率は全体で57〜64%です。
また建設後50年を経過した橋は2025年度時点で約24万橋(全体の44%)にのぼり、2018年度末の約13万橋(27%)、2023年度末の約21万橋(39%)から着実に増加しています。
数字を継続的に追い、進捗の遅れている領域を特定するという姿勢は、自社の工程管理や経営指標のモニタリングにもそのまま応用できそうです💡
この年報のようなデータを、中小建設業の経営にどう活かせるでしょうか。🧰
第一に、判定区分Ⅲ・Ⅳの施設数や修繕完了率といった公的統計を定点観測しておくことで、今後どのエリア・どの施設種別で点検や補修の需要が続きそうか、大まかな見通しを立てやすくなります。
第二に、地方公共団体の修繕完了率が国交省や高速道路会社よりも低い水準にとどまっているという事実は、自社の情報収集や体制づくりの優先順位を考えるうえでの材料になります。
第三に、点検→判定→修繕というサイクルを仕組み化して数字で管理するという国の手法自体が、自社の設備点検や品質管理をIT・デジタルツールで仕組み化するヒントにもなるはずです。
今回ご紹介した道路メンテナンス年報は、全国の橋やトンネルの老朽化の実態を示すだけでなく、「データに基づいて点検・修繕のサイクルを管理する」という経営的な視点も学べる資料です。
日々の現場対応に追われていると見過ごしがちなデータですが、こうした一次情報に定期的に触れる習慣そのものが、経営判断の精度を高める一歩になりそうです。😌
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサービス『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
出典:道路メンテナンス年報(令和7年度)(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint_r07.html)をもとに作成
➡関連記事:自治体調達のカベを国が緩和、ドローン点検スタートアップに追い風
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。