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「今回だけ少し安くしておきます」「いつもお世話になっているので、この分はサービスで」。建設業では、取引先との関係や受注の事情から、見積金額を少し下げる場面があります。
もちろん、値引きそのものが悪いわけではありません。競合との比較で受注するため、長く付き合う取引先への配慮として、意図的に価格を調整することもあるでしょう。
ただ、気をつけたいのは「なんとなく」の値引きです。1件ごとの金額が小さいと気にならなくても、1年分を合計すると、会社にとって無視できない金額になっているかもしれません。💰
最初にやることは、とてもシンプルです。過去1年間の見積書や請求書を確認し、「本来の金額からいくら下げたのか」を集計してみましょう。
例えば、1件5,000円の値引きを月10件行なっていたとします。月5万円、年間では60万円です。 1件だけ見れば「5,000円くらい」と感じても、会社全体で見ると60万円。もし年間100万円なら、見過ごせる金額とはいいにくくなります。
大切なのは、値引きをやめることではありません。まず「自社が年間でどれくらい値引きしているのか」を数字で知ることです。📊
集計したら、次に確認したいのが値引きの理由です。 「競合に勝つため」「長年の取引先だから」「工事量が多いから」「今回は小規模だから」など、理由を一つずつ書き出してみます。
ここで注目したいのが、理由のない値引きです。 「毎回このくらい引いている」「担当者から言われるから」「昔からそうしている」。 もし、このような理由が多いなら、値引きが会社の判断ではなく、習慣になっている可能性があります。🔎
値引きによって受注につながったのか、取引先との関係維持に役立ったのか。それとも、特に理由なく利益だけを減らしていたのか。分けて考えるだけでも、見直すポイントが見えてきます。
建設会社では、売上を確保することも大切です。しかし、値引きをして受注件数が増えても、利益が残らなければ会社の体力はつきません。
例えば、100万円の工事を95万円で受注した場合、売上だけを見れば5万円の差です。しかし、その5万円は利益から消える可能性があります。 しかも、材料費や外注費、人件費などの原価が上がれば、少額の値引きでも利益への影響は大きくなります。
だからこそ「この金額なら受けられる」ではなく、「この金額で受けても必要な利益を確保できるか」という視点が必要です。🧮
値引きを一律にやめるのではなく、例えば次の3つに分けると整理しやすくなります。
①受注のために必要だった値引き
②取引関係を考えて意図的に行なった値引き
③理由が曖昧な「いつもの値引き」
①と②は、会社として意味がある値引きかもしれません。一方、③が多いなら、見直す余地があります。
さらに、「この値引きで受注できた」「値引きしたが、次の仕事につながった」など、結果も記録しておくと判断しやすくなります。📝
値引きを求められたとき、すぐに金額を下げるのではなく、「どの作業なら調整できるか」を考える方法もあります。 例えば、工事内容や仕様、納期、施工範囲などを確認し、価格を下げる代わりに条件を整理できないか検討します。
もちろん、契約内容や取引先との合意が前提です。大切なのは、単純に自社の利益を削るのではなく、「価格と仕事の内容が見合っているか」を確認することです。
いきなり過去の見積書をすべて調べるのが大変なら、まずは直近3カ月分だけでも構いません。 「値引き額」「値引きした理由」「受注できたか」「次の仕事につながったか」の4項目を簡単にメモしてみましょう。📋
数件並べてみるだけでも、「この取引先には毎回値引きしている」「少額案件ほど値引きが多い」など、自社の傾向が見えてくることがあります。 数字を確認して初めて、「この値引きは続ける」「この値引きは見直す」という判断ができます。
「なんとなくの値引き」は、1件だけなら小さな金額に見えます。しかし、積み重なれば年間で大きな金額になることがあります。
まずは過去1年間の値引きを合計し、「なぜ値引きしたのか」「その値引きは受注や取引にどんな意味があったのか」を確認してみましょう。 値引きをなくすことが目的ではありません。自社の価格を、自分たちで説明できる状態にすることが大切です。
今日、時間があるなら、まずは昨年1年間の見積書から「値引き」の金額だけを拾ってみる。そこから、建設会社のお金の流れを見直す第一歩が始まります。💡
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