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建設会社にとって、請求書は「工事が終わった後の事務作業」ではありません。いつ請求するか、どのように処理するかによって、会社にお金が入ってくるまでの流れにも影響します。
そこで気になるのが、請求書の電子化です。 「紙の請求書を電子化すれば、入金も早くなるのでは?」と考える人もいるでしょう。 ただし、ここには一つ注意点があります。請求書を電子化したからといって、契約で決められた支払日が自動的に早くなるわけではありません。
電子化によって見直せるのは、請求書を作成してから提出するまで、あるいは提出後に社内で確認するまでといった「請求業務の時間」です。 では、建設会社ではどこを見直せばよいのでしょうか。
入金までの時間を短くしたいと考えると、つい「取引先からいつ振り込まれるか」に目が向きます。 しかし、その前に確認したいのが、自社側の請求処理です。
①工事が完了
②現場から必要な情報が事務担当者に届く
③内容を確認する
④請求金額をまとめる
⑤請求書を作成、印刷する
⑥封入、郵送する
⑦取引先が受領、確認
この中に、数時間、あるいは数日単位の「待ち時間」が隠れていることがあります。
例えば、現場担当者が忙しくて請求に必要な情報をまとめるのが後回しになる、事務担当者が別の業務に追われて請求書の作成が翌日に持ち越される、といったケースです。
紙そのものが問題なのではありません。 大切なのは、請求書が完成してから相手に届くまで、そして届いてから確認されるまでに、必要以上の時間がかかっていないかを確認することです。
請求書を電子データでやり取りできるようにすると、紙の印刷や封入、郵送といった作業を減らせます。 さらに、適切な仕組みを使って請求情報を共有すれば、担当者が紙の書類を持って移動したり、書類が届くのを待ったりする時間も減らせます。
「請求書を作ったらすぐ提出できる」という状態に近づけることが、電子化の大きなメリットの一つです。
ただし、電子化には保存についてのルールもあります。 国税庁によると、電子取引とは、取引情報を電子データでやり取りすることをいい、電子取引で授受した請求書などの取引データについては、一定の要件に従って保存する必要があります。
これは、電子データでやり取りした請求書等が対象となるもので、紙で受け取った請求書をすべて電子化しなければならないという意味ではありません。つまり、電子請求を始める場合は「送る方法」だけでなく、「受け取ったデータをどう保存するか」まで考えておく必要があります。
ここは、電子化を検討する際に最も注意したいところです。 請求書を紙から電子データに変更しても、契約上の支払条件まで自動的に変わるわけではありません。
例えば、月末締め・翌月末払いという条件で契約している場合、請求書を電子化しただけで翌月末より前に支払われるとは限りません。 そのため、「電子化したのに入金日が変わらない」と考えるのではなく、「自社側の請求処理をどこまで早くできたか」を見る必要があります。
電子化の目的は、支払日そのものを勝手に早めることではありません。
請求できる状態になったら、できるだけ早く正確に請求する。そのために、不要な印刷、郵送、書類の受け渡し、確認待ちなどを減らしていく。 この考え方なら、電子化の効果を現実的に判断できます。
電子請求の導入を検討する前に、まず一度、自社の請求業務を時間で測ってみましょう。 確認したいのは、次の三つです。
*「工事が完了してから請求書を作成するまで」
*「請求書を作成してから取引先へ提出するまで」
*「請求書を提出してから実際に入金されるまで」
この三つを分けて考えることがポイントです。
最初の二つは、自社の業務フローを見直すことで短縮できる可能性があります。一方、最後の入金までの期間は、契約上の締め日や支払条件などが関係するため、電子化だけで変わるものではありません。
例えば「請求書を作成するのは早いのに、提出まで二日空いている」ということが分かれば、その二日間に何が起きているのかを調べられます。 逆に、提出までがすぐにできているのであれば、電子化による入金スピードへの効果を過大に期待する必要はありません。
数字にしてみることで、電子化すべき場所と、別の方法で改善すべき場所が見えてきます。
※画像はイメージです
電子化という言葉を聞くと、「会社全体の仕組みを一度に変えなければならない」と感じるかもしれません。 しかし、最初からすべてを変える必要はありません。
まずは請求書の作成から提出までの流れを書き出し、紙を使っている場所、担当者が確認している場所、時間が止まっている場所を確認してみましょう。 そのうえで、電子化によって本当に時間を減らせる工程を一つ選びます。
例えば、請求書を印刷して封筒に入れる作業に時間がかかっているなら、その工程を見直す。請求書の控えを探すのに時間がかかっているなら、保存方法を整理する。 重要なのは、「電子化すること」を目的にしないことです。
建設会社の資金繰りを考えるうえで大切なのは、売上がいつ入金されるかだけではありません。請求できる状態になった仕事を、漏れなく、正確に、できるだけ早く請求できる仕組みを作ることも重要です。
請求書を電子化しても、契約上の支払日が自動的に早くなるわけではありません。 一方で、印刷や郵送、書類の受け渡し、確認待ちなど、請求業務の途中にある時間を減らすことで、自社側の不要な遅れを改善できる可能性があります。
まずは「工事完了から請求まで」「請求から提出まで」「提出から入金まで」を分けて、自社ではどこに時間がかかっているのかを確認してみましょう。 電子化を「紙をなくす取り組み」だけで終わらせず、「請求から入金までの流れを見直すきっかけ」として活用することが、建設会社の業務改善につながります。
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出典:「電子帳簿等保存制度特設サイト」(国税庁)
(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm?utm_source=chatgpt.com)
「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/index.htm?utm_source=chatgpt.com) をもとに作成
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