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九州地方整備局は令和8年10月15日、「令和9年度 発注者支援業務等の発注における技術提案評価テーマ(留意点)」を事前公表しました。
入札公告を待たずに「何が評価されるのか」が先に示されたことで、受注を目指す事業者は今の時点から技術提案書(技術提案書とは:入札参加者が業務の進め方や工夫を書面で示し、発注者の評価を受けるための書類)の準備に取りかかれます。
今回公表されたのは、令和9年4月に履行を開始する九州地方整備局発注の業務(港湾空港関係業務を除く)で使われる評価テーマの一覧です。
対象は大きく2つに分かれます。
一つ目は発注者支援業務(発注者支援業務とは:国などの発注者が行う工事関連の事務や技術的な作業を補助する業務)で、積算技術、工事監督支援、技術審査が含まれます。
二つ目は公物管理補助業務(公物管理補助業務とは:道路や河川、ダムなど公共施設の管理を補助する業務)で、道路許認可審査・適正化指導、河川巡視、河川許認可審査、ダム管理、堰・排水機場管理が対象です。
公表資料によると、翌年4月から始まる発注者支援業務等の発注手続き期間は、土木コンサルタント等業界の繁忙期と重なっています。中でも入札公告から技術提案書の提出までは、年末年始をまたぐ期間になるとされています。
そこで同局は、評価テーマを事前に公表して技術提案書の検討期間を広げ、各社の入札参加意欲を高めて競争性を確保すること、技術提案内容をさらに充実させること、各社の負担を軽減することを狙いとしています。
なお、令和9年度の契約締結は、当該業務に係る令和9年度本予算が成立し、かつ予算示達がなされることが条件とされている点にも注意が必要です。
別添の一覧表で示された業務ごとの評価テーマを、表に整理しました。
業務種別 |
評価テーマ(留意点) |
|---|---|
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河川巡視支援業務 |
施設の異常や違法行為等を適切に確認するための方法 |
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河川許認可審査支援業務 |
申請書(新規・変更・更新)の技術的な審査にあたっての着眼点・留意事項 |
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ダム管理支援業務 |
出水時(事前放流を含む)、地震発生時、災害時の的確な業務実施と体制確保 |
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排水機場・堰管理支援業務 |
洪水時・地震時の設備トラブルなど緊急的な対応が求められる場合の対応方法 |
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道路許認可審査・適正化指導業務 |
道路許認可・適正化指導に関わる対応を円滑に進めるための工夫 |
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同上(特殊車両審査関係) |
特殊車両通行許可申請書の到達から許可までの審査日数短縮に向けたマネジメント手法 |
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積算技術業務 |
積算技術業務を正確かつ効率的に実施するための具体的な取り組み |
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技術審査業務 |
技術資料の分析・整理で、的確性かつ公平性を確保するための具体的な取り組み |
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工事監督支援業務A |
現場条件に応じた公衆災害・労働災害防止のための具体的な取り組み |
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工事監督支援業務B |
工事進捗状況の的確な把握と、工事の品質向上を図るための具体的な取り組み |
出典:国土交通省九州地方整備局ウェブサイト(https://www.qsr.mlit.go.jp/content/000003346.pdf)を加工して作成
表中の用語も補足しておきます。
*事前放流(事前放流とは:大雨が予想される際に、ダムの水位をあらかじめ下げておく操作)
*特殊車両通行許可(特殊車両通行許可とは:大きさや重さが一定の基準を超える車両が道路を通行する際に必要な許可)
*公衆災害(公衆災害とは:工事と関係のない第三者に生じる災害)
工事監督支援業務については、発注者が入札公告時にA・Bの2テーマの中から任意に設定するとされています。どちらが選ばれても対応できるよう、両方の準備を進めておくのが安全です。
すべてのテーマには、共通して2つの判断基準が設けられています。
*的確性は、提案内容に必要な項目(①着眼点・問題点、②解決方法)が網羅されている場合に優位に評価されるものです。
*実現性は、取り組みの内容が具体的で、説得力がある場合に優位に評価されるものです。
実現性の欄には、業務ごとに具体的な視点も記されています。組織体制(バックアップ体制)と人材育成が複数の業務で問われている点は見逃せません。
業務種別 |
実現性で示された主な視点 |
|---|---|
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河川巡視支援業務 |
人材育成(点検結果等の把握)、組織体制(バックアップ体制等) |
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河川許認可審査支援業務 |
組織体制や技術力確保 |
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ダム管理支援業務 |
実施内容、情報伝達、組織体制 |
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排水機場・堰管理支援業務 |
組織体制(バックアップ体制)、人材育成等 |
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道路許認可審査・適正化指導業務 |
許認可申請や、道路の適正利用・安全確保のための指導の対応方法 |
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同上(特殊車両審査関係) |
組織的なマネジメントの手法 |
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積算・技術審査・工事監督支援 |
各テーマに沿った具体的な取り組み |
出典:国土交通省九州地方整備局ウェブサイト(https://www.qsr.mlit.go.jp/content/000003346.pdf)を加工して作成
一つ目は、狙う業務のテーマに合わせて、自社の過去の現場経験や改善事例を洗い出すことです。「問題点」と「解決方法」をセットで書けるネタが多いほど、的確性の評価につながります。
二つ目は、担当者が不在のときの交代要員や応援の仕組みを言葉にしておくことです。バックアップ体制は複数のテーマで評価の視点に入っており、図や体制表にまとめておくと説得力が増します。
三つ目は、若手の育成計画を整理することです。人材育成も評価の視点に含まれているため、日々の教育や資格取得支援の取り組みを具体的に書き出しておきましょう。
※画像はイメージです
評価テーマが早めに示された今こそ、腰を据えて提案を磨くチャンスです。繁忙期と年末年始に追われる前に、自社の強みと体制を整理しておきましょう。
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出典:「令和9年度 発注者支援業務等の発注における技術提案評価テーマ(留意点)」の事前公表について(国土交通省九州地方整備局)(https://www.qsr.mlit.go.jp/content/000003346.pdf)をもとに作成
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