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建設・造園業界では技能者の高齢化と人手不足が深刻化しており、現場を支える職人の処遇改善が業界全体の課題となっている。こうした中、国土交通省が推進する制度に賛同する企業が増えつつある。今回は、造園・建設大手の株式会社日比谷アメニスが発表した「職人いきいき宣言」への取り組みを取り上げ、協力業者にとってどのような意味を持つのかを整理する。
株式会社日比谷アメニス(本社:東京都港区、代表取締役:伊藤幸男)は、国土交通省が推進する「建設技能者を大切にする企業の自主宣言(職人いきいき宣言)」を行い、2026年10月1日より本格的な取り組みを開始したと発表した。この発表は、同社が協力業者の技能者に対する処遇改善方針を公式に表明したものだ。
発表資料では、制度の狙いについて次のように説明されている。
『国土交通省が推進する「建設技能者を大切にする企業の自主宣言(職人いきいき宣言)」は、技能者を大切にし、処遇改善に取り組む事業者を適切に評価することで、就業者に選ばれる持続可能な枠組みを作る制度です。』
引用元:株式会社日比谷アメニスプレスリリース(PR TIMES掲載)
また、背景と目的についても次のように述べられている。
『造園・建設業界において、現場の技能者は高品質な空間づくりを支える重要な存在です。日比谷アメニスは、パートナーである協力業者の技能者の皆様が安心感を持って長く活躍できる現場環境の実現を目指し、本自主宣言を行いました。』
引用元:株式会社日比谷アメニスプレスリリース(PR TIMES掲載)
なお、グループ会社の太陽スポーツ施設株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:藤原拓磨)でも同様の自主宣言を実施しており、グループ全体で方針をそろえている点も特徴である。
見積もりの内訳が不明瞭なまま値引きを求められたり、工期が現実的でない形で設定されたりするケースは、中小の協力業者にとって長年の悩みだった。こうした慣行は技能者の賃金に直接しわ寄せが及び、結果として若手が建設・造園業界を敬遠する一因になってきたと指摘されている。
さらに、建設キャリアアップシステムへの加入が進んでいない現場では、就業履歴が正しく蓄積されず、技能者本人のキャリア形成にも影響が出ていた。今回の自主宣言は、こうした構造的な課題に対し、元請け側から改善の意思を示す動きとして受け止めることができる。
日比谷アメニスグループは、今後の具体的な取り組みとして、見積書の内訳明示や不当値引きの防止、労働環境の改善、担い手育成の推進を掲げている。加えて、全現場への機器設置による建設キャリアアップシステムの就業履歴蓄積の推進や、未加入者への加入促進にも取り組む方針だ。
協力業者にとって特に注目すべきは、同条件での見積もり受領時に自主宣言企業を優先選定するという方針である。これは、処遇改善に取り組む協力業者が受注機会を得やすくなる可能性を示すものであり、宣言企業との関係構築が今後の取引において一定の意味を持ちうることを意味する。
そのほか、適正な工期設定や現場のICT化による生産性向上、安全装備品の支給、男性の育休取得などの育児支援、インターンシップ等の採用イベントを通じた若手育成にも注力するとしている。なお同社は2024年6月6日付で、内閣府および中小企業庁が推進する「パートナーシップ構築宣言」も実施済みであり、サプライチェーン全体での価値向上を目指す姿勢は一貫している。
職人いきいき宣言は、技能者を大切にする企業を適切に評価し、業界の持続可能性を高めるための枠組みである。日比谷アメニスのように具体的な取り組みを公表する企業が増えることで、処遇改善に真摯に取り組む協力業者ほど選ばれやすくなる流れが広がっていく可能性がある。中小の協力業者にとっても、こうした制度の動きを把握し、自社の労務管理や取引姿勢を見直すきっかけにしたい。
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