記事を読み込み中です

夏の現場で、休憩時間に先輩が「暑いから食べる?」とアイスを差し出す。たったそれだけの出来事でも、新人にとっては意外と記憶に残るものです。
建設業では、仕事を覚えること、安全を守ること、先輩との関係を築くことが同時に求められます。だからこそ、新人教育というと「仕事を教える」「注意する」「できるようにする」に目が向きがちです。
しかし、長く働いてもらうためには、職場で「自分は気にかけてもらえている」と感じられることも大切です。 アイスは、そのきっかけになる小さなコミュニケーションかもしれません。
新人にとって、先輩や社長に自分から話しかけるのは簡単ではありません。分からないことを聞くのにも勇気が必要で、休憩中まで仕事の話をするのは気が重いという人もいます。
そんなとき、「何味がいい?」「甘いの好き?」といった食べものの話なら、仕事の指示とは違う自然な会話が生まれます。 もちろん、アイスを配ったから人材が定着するわけではありません。
大切なのは、アイスそのものではなく、相手を気にかけて声をかけるという行動です。 「暑いな」「今日きつかったな」と同じ感覚を共有するだけでも、普段は仕事の話しかしない相手との距離が少し縮まります。
新人が会社に慣れるまでには、作業手順を覚えるだけでなく、誰に質問すればいいのか、休憩はどう過ごすのか、困ったときに相談してよいのかといった職場の空気を知る時間も必要です。 そこで役立つのが、仕事以外の小さな会話です。
例えば休憩中にアイスを食べながら、「この現場は初めてか」「暑い日の現場で困っていることはないか」と聞けば、新人の本音が出てくることがあります。仕事中には言いにくかった不安や、まだ理解できていないことが見つかる可能性もあります。
つまり、食べものをきっかけにした雑談は、新人教育の補助線にもなります。
アイスを用意するなら、全員に同じ商品を配ることだけが正解ではありません。乳製品が苦手な人、甘いものが得意ではない人、食事制限がある人など、好みや事情はそれぞれです。 「何がいい?」と聞いてみるだけでも、相手を一人の人として見ていることが伝わります。
また、休憩時間を削ってまで食べる必要はありません。仕事の進行や安全を優先し、無理なく楽しめるタイミングを選ぶことが大切です。
こうした小さな配慮を積み重ねることが、働きやすい職場づくりにつながります。
会社が何かを配ると、「福利厚生として制度化しなければ」と考えたくなるかもしれません。しかし、今回のポイントは豪華な制度を作ることではありません。
暑い日に「今日は大変だったな」と声をかける。新人が困っていそうなら「大丈夫?」と聞く。休憩中に仕事以外の話をする。こうした行動の延長に、アイス1本があります。
採用活動で会社の魅力を伝えることも大切ですが、入社した後に「ここで働いていてよかった」と感じてもらうためには、日々の小さな経験も積み重なります。 特別な費用をかけなくても、社員を気にかける姿勢は伝えられます。
新人の定着を考えるとき、研修制度や評価制度など大きな仕組みに目が向きます。一方で、職場の印象をつくるのは、毎日の何気ない声かけや休憩中の会話かもしれません。
暑い日に渡すアイス1本が、すぐに会社への愛着につながるとは限りません。それでも、「気にかけてもらえた」という小さな記憶は、職場への安心感を育てるきっかけになります。
今年の夏は、仕事を教えるだけでなく、一緒にアイスを食べながら新人の話を聞いてみる。そんなところから、人が辞めにくい職場づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、 下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサービス『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
➡関連記事:スマホ1台で技能継承!ベテランの技を動画で残す方法
➡関連記事:女性職人が働きやすい現場はトイレ・更衣室から
➡関連記事:新人職人の「独り立ち」までのロードマップ
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。