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人手不足が叫ばれて久しい建設業界だが、働く人が転職を試みる際に立ちはだかる意外な壁がある。それが「応募書類の作成」だ。現場の第一線で腕を磨いてきた職人や施工管理技術者が、履歴書・職務経歴書という紙一枚の前で足止めされ、応募そのものを諦めてしまう——そんな実態が、この度の調査で数値として明らかになった。本記事では、その調査結果と、課題解決に向けて登場した建設業界特化AIサービスの内容を詳しく取り上げる。
建設業界特化の転職エージェント「建築転職」を運営する株式会社トップリフォームが、建設業界で働く500人を対象とした転職と書類作成に関する意識調査を実施した。結果は業界関係者にとって看過できないものだ。
以下、プレスリリースの該当部分を引用する。
『人手不足が深刻な建設業界で、転職準備の負担の1位・2位は「履歴書・職務経歴書の作成」。3人に1人(35.0%)が"書類作成の負担で応募をためらった・諦めた"経験があると回答し、人材と企業のマッチングが「書類の壁」で妨げられている実態が明らかになりました。』
引用元:株式会社トップリフォームプレスリリース(PR TIMES掲載)
具体的には、転職準備で負担を感じた項目の上位に「履歴書の作成」(50.4%)、「職務経歴書の作成」(48.4%)が並び、応募書類の準備いずれかに負担を感じた人は68.6%に達した。さらに、一度でも応募をためらった経験がある層に絞ると、職務経歴書作成への負担感は71.4%まで上昇する。経験も資格も持ちながら、書類というハードルに阻まれて一歩を踏み出せない状況が浮かび上がる。
背景には、建設業界特有の働き方がある。現場では朝早くから夜まで体を使う仕事が続き、デスクワークに割ける時間が極めて少ない。加えて、施工管理・積算・設計・左官・鉄筋といった職種は業務内容が専門的であるにもかかわらず、それを一般的な文章表現に落とし込む経験を積む機会が乏しい。「自分の仕事の価値を言語化する」ことへの不慣れが、書類作成の障壁を高めている。
また、建設業の就業者は1997年の685万人をピークに減少を続け、2025年時点では約478万人にまで落ち込んでいる(総務省「労働力調査」)。55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまる高齢化構造のなかで、求人倍率は職種によって6〜9倍台に達している(厚生労働省「職業安定業務統計」2024年)。これほど人材を求める業界でありながら、「書類が書けない」という理由で人材と求人のマッチングが成立しないのは、業界全体にとって大きな損失といえる。
こうした課題に対して、株式会社トップリフォームが2026年8月19日に提供を開始したのが、建設業界特化AIサービス「建築パス」だ。このサービスの最大の特徴は、ユーザーが資格・工事種別・職種などの経歴項目を選択していくだけで、AIが職務経歴書を自動的に生成する点にある。
主な機能を整理すると以下の通りだ。
選ぶだけで自動作成:資格・工事・職種などを選択するとAIが職務経歴書を組み立てる。
建設業界特化の項目設計:施工管理・設計・積算など職種別の専門項目で、現場経験が採用担当者に伝わる形に仕上がる。
キャリアストーリーの自動生成:過去の転職理由を前向きな文章として自動サジェストする機能を搭載。
紙書類のAI読み取り:手元にある紙の履歴書をスマホで撮影するとAIが内容を読み取り、入力を自動化する。
スマホ完結・印刷対応:PDF・Excel出力とコンビニ印刷に対応し、通勤時間の15〜20分で完結できる設計。
利用料金は無料であり、転職エージェント「建築転職(kenten.jp)」への会員登録で使用できる。採用担当者に評価される「通る書類」を、現場で働く人が自力で作成できるよう設計されている点が、従来の汎用的な書類作成ツールとの大きな違いだ。
「建築パス」は転職希望者向けのサービスだが、採用する側の建設会社にとっても示唆がある。今回の調査では、約半数(48.8%)の人が「AIが職務経歴書を自動作成するサービスがあれば使いたい」と回答している。これは、書類作成のDXを後押しする環境が整えば、これまで書類を理由に応募を断念していた層が動き出す可能性を意味する。
書類の質が向上した応募者が増えることで、採用担当者の選考負担も軽減される。また、施工管理技術者や職人が転職を通じて適切な企業に移動しやすくなれば、業界全体の人材流動化が促進され、企業側の採用機会も広がる。中小の建設会社においても、「いい職人が来なかった」という状況が改善される可能性がある。
引用元:株式会社トップリフォームプレスリリース(PR TIMES掲載)
建設業界で働く約7割が応募書類に負担を感じ、3人に1人が応募を諦めている——この調査結果は、人手不足という構造問題の裏側にある「書類の壁」を可視化した点で重要だ。建設業界特化AI「建築パス」は、そのボトルネックを解消する一つの実践的手段として注目に値する。スマホだけで完結し、完全無料で利用できる点は、現場で忙しく動く建設業従事者にとって現実的なハードルの低さといえる。採用に悩む経営者にとっても、転職に踏み出せずにいる職人や技術者にとっても、このサービスの動向は引き続き注目しておきたい。
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