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夏休みが終わると、建設会社でも普段の現場体制に戻っていきます。
一方で、子育て中の社員にとっては、長期休暇が終わったからすべて解決するわけではありません。保育園や学校への送迎、行事、急な休みなど、仕事と家庭を両立するための調整は年間を通して続きます。
特に人手に余裕のない中小建設会社では、「一人が休むと現場が回らない」という事情から、社員本人が家庭の事情を言い出しにくくなることがあります。しかし、その状態が続けば、働き続けたい社員が離職を選ぶ可能性もあります。
だからこそ、夏休み明けは「子育て中の社員が無理なく働ける環境になっているか」を見直すタイミングです。
「子連れ出勤」と聞くと、子どもを建設現場に連れていく姿を想像するかもしれません。しかし、現場には重機や資材などの危険があり、子どもの安全を確保できない場所への同伴は現実的ではありません。
考えたいのは、子連れ出勤という言葉だけにとらわれず、「子どもを預けられない日に、どうすれば社員が仕事を続けられるか」という視点です。
例えば、現場ではなく事務所でできる業務に切り替える、勤務開始時間を一時的にずらす、短時間勤務を活用するなど、業務内容に応じた選択肢があります。重要なのは、現場の安全を守りながら、社員が働ける方法を会社と一緒に考えることです。
仕事と育児の両立をめぐる制度も変わっています。厚生労働省によると、2025年10月1日から、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者を対象に、事業主は「始業時刻等の変更」「テレワーク等」「保育施設の設置運営等」「養育両立支援休暇」「短時間勤務制度」の5つから2つ以上の措置を選択して講じる必要があります。
労働者は、その中から1つを選んで利用できます。 建設業では、すべての職種でテレワークができるわけではありません。しかし、だからといって制度を「現場では無理」と片付ける必要はありません。
例えば、事務担当者や積算、書類作成など、現場以外で対応できる業務がある会社なら、職種ごとに利用できる働き方を整理できます。現場監督についても、始業時間の調整など、業務に支障が出ない範囲で検討できる場合があります。
第一は、「困ったときに相談できる雰囲気」をつくることです。制度があっても、社員が申し出にくければ利用されません。子どもの学校行事や送迎などについて、早めに相談できる関係をつくることが重要です。
第二は、業務の代替方法を決めておくことです。「誰かが休んだら、その場で考える」のではなく、現場ごとに引き継ぎ先や連絡方法を決めておけば、急な休みにも対応しやすくなります。
第三は、子育て中の社員だけに負担を集中させないことです。特定の社員だけが早く帰る仕組みでは、周囲に不満が生まれることもあります。業務の共有や予定の見える化を進め、チーム全体でカバーできる体制をつくることが大切です。
子育て社員が働き続けられる環境を整えることは、単なる福利厚生ではありません。人手不足が続く建設業にとって、今いる社員に長く働いてもらうことは、人材確保の重要な取り組みです。
「子どもがいるから続けにくい」「家庭の事情を言い出せない」という職場では、採用した人材が定着しにくくなる可能性があります。一方で、事情に応じて働き方を調整できる会社なら、子育て世代にとっても選択肢になりやすくなります。
夏休み明けは、社員の家庭事情を特別扱いするためではなく、「誰かが家庭の事情を抱えても仕事を続けられる会社になっているか」を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。
子連れ出勤は、建設現場の安全を考えれば慎重な対応が必要です。しかし、子育て中の社員が困ったときに働き続けられる選択肢を用意することは、中小建設会社でも取り組めます。
勤務時間の調整、業務の引き継ぎ、事務所での業務への切り替えなど、できることから始めることが大切です。夏休み明けをきっかけに、現場の安全と家庭の事情を両立できる働き方を一度考えてみましょう。
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出典元:
・「柔軟な働き方を実現するための措置」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/flexiblework/)をもとに作成
・「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf)をもとに作成
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