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愛知県西尾市で、西尾市・岡崎市・幸田町の可燃ごみをまとめて処理する広域ごみ処理施設の整備が進んでいます。発注者は西尾市で、契約総額は約501億円。設計・建設から約20年間の運営までを一括で民間に任せる、規模の大きな公共事業です。
この記事では、西尾市が公表した資料をもとに、事業の中身と地域の建設業者にとってのポイントを整理します。
結論から言うと、この事業の最大の特徴はDBO方式(DBO方式とは:Design=設計、Build=建設、Operate=運営をまとめて民間事業者に発注し、資金調達と施設の所有は自治体が担う公設民営の手法)で進められている点です。
西尾市は令和7年12月19日付けで、建設工事請負契約と運営業務委託契約を締結しました。あわせて基本契約、副生成物運搬業務委託契約、副生成物資源化業務委託契約も結んでいます(副生成物とは:焼却後に残る灰など、処理の過程で発生する物)。
代表企業はJFEエンジニアリング株式会社で、建設工事を担うのは「JFEエンジ・日本国土・徳倉・山旺・まるひ特定建設工事共同企業体」です(特定建設工事共同企業体とは:大規模工事のために複数の建設会社が組む期間限定の共同体、いわゆるJV)。
土木建築工事には日本国土開発、徳倉建設、山旺建設、まるひ建設が参加しています。プラントメーカーが全体を統括し、ゼネコンと地域の建設会社が土木建築を受け持つ体制です。
※愛知県西尾市の町並み
西尾市が公表した事業契約の内容によると、各契約の金額は次のとおりです。
・建設工事請負契約:305億1400万円(令和12年6月30日まで)
・運営業務委託契約:約126億2543万円(令和32年3月31日まで)
・副生成物運搬業務委託契約:約15億7169万円
・副生成物資源化業務委託契約:約54億48万円
・合計:501億1160万円
事業期間は、設計・建設が令和7年12月から令和12年6月までの4年7カ月、運営が令和12年7月から令和32年3月までの19年9カ月です。建てて終わりではなく、約20年にわたって同じ事業者グループが施設を動かし続ける点が、従来型の工事発注との大きな違いです。灰の運搬は愛知県岡崎市の大徳運輸など5社、灰の資源化は岡崎市を含む5者が担当します。
建設地は現在の西尾市クリーンセンターの敷地(西尾市吉良町岡山大岩山地内ほか)で、敷地面積は約4.45ヘクタールです。処理方式はストーカ式焼却方式(ストーカ式とは:階段状に動く火格子の上でごみを送りながら燃やす、国内で広く使われる焼却方式)、施設規模は1日266トン(133トンの炉が2基)、煙突の高さは59メートルです。
この施設は、西尾市クリーンセンターと岡崎市八帖クリーンセンター1号炉を集約するものとして計画されました。
令和8年5月の市民説明会資料に示された工程では、施設詳細設計が令和7年12月下旬から、仮囲い・仮設事務所工事が令和8年7月から始まります。土木建築工事は令和9年1月頃、プラント工事は令和10年4月頃に着手し、令和12年1月頃からの試運転を経て、令和12年7月の供用開始を予定しています。
工程 |
時期 |
|---|---|
施設詳細設計 |
令和7年12月下旬~ |
仮囲い・仮設事務所工事 |
令和8年7月~ |
土木建築工事 |
令和9年1月頃~ |
プラント工事 |
令和10年4月頃~ |
試運転 |
令和12年1月頃~ |
|
供用開始 |
令和12年7月(予定) |
出典:西尾市ウェブサイト(https://www.city.nishio.aichi.jp/kurashi/gomi/1001396/1007002/1011674.html)の資料をもとに作成
新施設は防災面の備えも重視しています。地震対策として地盤改良、耐力壁、鉄骨ブレースを採用し、浸水対策では中央制御室などの重要な部屋を2階以上に配置します。ごみピット火災には、二段ピット、AIによる煙検知、3基の放水銃という3段階の対策がとられます。
さらに、管理棟と工場棟には指定避難所として約1000平方メートルの避難スペースを確保し、発電機で照明と空調を維持できるようにします。超高温高圧ボイラによる発電で、エネルギー回収率は最大31.6%(エネルギー回収率とは:ごみの持つ熱量のうち、電気や熱として取り出せた割合)とされています。
ごみ収集車などの関係車両は1日あたり西尾市分が約560台、新たに岡崎市分約39台、幸田町分約7台が加わる見込みで、周辺道路の交通や工事車両の動線にも関わってきます。
対策の種類 |
主な内容 |
|---|---|
地震対策 |
地盤改良、耐力壁、鉄骨ブレースによる強靭な構造 |
浸水対策 |
中央制御室などの重要な部屋を2階以上に配置。灰ピットは3mのピット壁で浸水と灰の流出を防止 |
ごみピット火災対策 |
二段ピット、AIによる煙検知、3基の放水銃による3段階の対策 |
指定避難所機能 |
約1000㎡の避難スペースを確保。発電機で照明・空調を維持。授乳室・多目的トイレ・浴室、フリーWi-Fi、災害用公衆電話を設置 |
出典:西尾市ウェブサイト(https://www.city.nishio.aichi.jp/kurashi/gomi/1001396/1007002/1011674.html)の資料をもとに作成
西尾市の広域ごみ処理施設は、DBO方式で設計から20年近い運営までを一括発注した事業で、本格的な土木建築工事とプラント工事はこれから山場を迎えます。
大型の公共施設がどのような体制と工程で進むのかを知ることは、地域で仕事を受ける建設会社にとっても今後の営業や人員計画を考えるヒントになるはずです。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
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出典:広域ごみ処理施設整備・運営事業市民説明会(西尾市)(https://www.city.nishio.aichi.jp/kurashi/gomi/1001396/1007002/1011674.html)、事業契約の締結(西尾市)(https://www.city.nishio.aichi.jp/kurashi/gomi/1001396/1007002/1010061/1011227.html)、広域ごみ処理施設整備事業の概要(西尾市)(https://www.city.nishio.aichi.jp/kurashi/gomi/1001396/1007002/1007329.html)をもとに作成
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