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「CO2の削減は大手ゼネコンや設計事務所の話」と考えている中小の建設会社は少なくないかもしれません。
しかし、国土交通省が2026年10月5日の検討会で示した建築物LCCO2評価制度(LCCO2とは:建物の資材製造から施工、使用、解体までの一生を通じて排出されるCO2等の総量)の骨子案を見ると、現場の記録や見積書がそのまま評価に関わってくる可能性が見えてきます。
検討会資料で示された削減措置のチェックリスト案には、「施工努力」という分野があります。具体的には、現場内重機の電化、現場内使用電力への再生可能エネルギー利用、軽油代替燃料(バイオ燃料等)の採用、輸送経路削減・運搬効率向上、低炭素な輸送手段の選択です。
このうち重機の電化、再エネ利用、軽油代替燃料の3項目には、既存の算定ツールであるJ-CAT-建築v2.3(J-CAT-建築とは:建築物のライフサイクルカーボンを算定するためのツール)で「実績反映」により定量評価できると記されています。つまり、現場で何をどれだけ使ったかという実績の記録が、数字としての評価に結び付く仕組みです。
チェックリストは全体で、資材数量の適正化、建材・設備の脱炭素・GX、施工努力、長寿命化、循環利用、オペレーショナルカーボン(オペレーショナルカーボンとは:建物の使用中に冷暖房や照明などのエネルギー消費で生じる排出)の削減の6分野で構成されています。施工努力以外にも、仮設山留壁・RC型枠の本設利用、地域産材の活用、リユース・リサイクル材の採用など、施工側の提案力が生きる項目が並んでいます。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000302.html)
算定方法としては、設計図面から資材数量を算定する図面算定法と、見積内訳書などから算定する見積内訳書算定法が示されました。資料では、施工者が着工前の早い段階で決まり、その見積内訳書を使える場合は、着工前の届出での利用も考えられるとしています。
また、構造計算プログラムやBIMで検討している場合は、その情報を活用するとされています。日頃の積算や数量管理をデジタルで整えておくことが、そのまま制度対応の下地になるといえます。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000302.html)
根拠となる改正建築物省エネ法は令和8年7月31日に公布され、ライフサイクルカーボン評価制度は公布日から2年以内に施行される予定です。資料では、2028年度を目途に評価の実施と自主的削減を進める第1ステップから段階的に進める方針が示されています。
骨子案では、5,000㎡以上の事務所(政令で規定予定)の新築・増改築で、建築主が着工の14日前までに国へ評価結果を届け出る制度が中心です。2,000㎡以上の非住宅建築物では、建築士が建築主に評価の意義などを説明する方向です。評価期間は60年で統一する案となっています。
さらに改正法では、第三者認証を申請しようとする者が、建築工事を請け負った建設業者に対して必要な情報の提供を求めることができると規定されています。元請・下請を問わず、現場の情報を出せる体制づくりが求められていきそうです。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000302.html)
1つ目は、現場のエネルギー使用量の記録です。重機の燃料や現場の電力使用量を、日報やアプリなどで残す習慣をつけておくと、実績を示す場面で役立ちます。
2つ目は、資材数量と運搬の管理です。見積内訳書の数量や搬入・運搬の記録を、表計算ソフトなどで整理しておくと、情報提供を求められた際にすぐ対応できます。
3つ目は、制度動向の継続的な確認です。第9回(2026年11月9日)、第10回(2027年1月28日)と議論が続き、2027年夏頃に省令・告示が公布される予定です。
いずれも大がかりなシステム投資は必要ありません。まずは今ある日報や見積書の様式を見直し、数字を拾いやすい形に整えることから始めてみてはいかがでしょうか。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000302.html)
建築物LCCO2評価制度では、現場での工夫や日々の記録が評価につながる可能性があります。細かな基準はこれから決まりますが、数字を残す仕組みづくりは今日からでも始められます。
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出典:第8回 建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会 資料(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000302.html)をもとに作成
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