記事を読み込み中です

もし自社のエリアで大きな地震や豪雨が起きたとき、消防や自治体としっかり連携して動ける体制はできていますか?
「地震や大雨のたびに下水道管路が被害を受け、復旧まで時間がかかってしまう」——そんな悩みを抱える発注機関や工事関係者は少なくないのではないでしょうか。下水道管路の被災対応は、下水道管理者だけで完結するものではなく、消防機関や管路工事・管理を担う事業者との連携があってこそスムーズに進みます。
今回ご紹介するのは、群馬県が中心となり、そうした連携のお手本として国土交通省から表彰された取組です。🚰🔥
国土交通省水管理・国土保全局上下水道企画課は令和8年9月3日、令和8年度(第19回)「循環のみち下水道賞」の受賞団体を公表しました。🎉
最高賞であるグランプリを受賞したのは、群馬県・伊勢崎市消防本部・公益社団法人日本下水道管路管理業協会関東支部群馬県部会の3団体です。取組名は「群馬県下水道管路災害時対応訓練~下水道管理者・消防機関・管路管理業協会が連携した『人命を守る群馬モデル』~」。
下水道管理者、消防機関、そして管路管理業協会という3者が一体となって災害時対応訓練を実施した点が高く評価されました。ふだんは別々の立場で仕事をしている機関・事業者が同じ訓練の場に立つことで、いざというときの役割分担や情報共有がスムーズになる、という好例といえそうです。✅
表彰式は令和8年9月10日(木)13時15分から14時00分まで、中央合同庁舎3号館10階の共用会議室(東京都千代田区霞が関2-1-3)で開催される予定です。
「循環のみち下水道賞」は、健全な水循環や資源・エネルギー循環を生み出す下水道のコンセプト「循環のみち下水道」に基づく優れた取組を表彰する、国土交通大臣賞です。今回で第19回を迎えます。
今年度はグランプリのほか、部門賞として9件が選ばれました。いくつかご紹介します。📢
イノベーション部門では、DRONE SPORTS株式会社による光ファイバー有線ドローン「Rangle X」を使った長距離連続点検(連続航続距離1.6km、管内無人化「No Entry」を実現)と、東京都下水道局による汎用薬剤を活用した下水汚泥焼却炉の煙道閉塞解消の2件が選ばれています。
防災・減災部門では、横須賀市上下水道局による、消防局と上下水道局が合同で行なう下水マンホール内事故を想定した生体要救助者救出訓練が受賞しました。
アセットマネジメント部門では、大阪狭山市と河内長野市による全国初となる公共下水道施設の包括的民間委託の2市共同発注、四国中央市・NTTインフラネット株式会社・株式会社福山コンサルタント・愛媛県流域水マネジメント強化プロジェクト分科会による実証フィールドを通じた下水道DX技術の展開が選ばれました。
広報・教育部門では、総再生回数1500万回を超えたという吹田市のInstagram発信、株式会社明電舎とクローバーラボ株式会社によるゲーム「下水王国」を核とした広報・教育モデル、宇都宮市上下水道局による地下のカメラと地上の大型モニターを使った工事の見える化の3件が選ばれています。
上下水道一体部門では、利府町による全国初の上下水道一体での「水の官民連携」レベル3.5更新支援型の導入が受賞しました。
グランプリの群馬モデルから中小の建設事業者が学べるのは、「日頃からの合同訓練」の価値です。
災害はいつ起きるか分かりません。だからこそ、消防機関や自治体の下水道管理者と、実際に管路の点検・補修を担う事業者が同じ訓練に参加し、顔の見える関係を作っておくことが、発災後の初動を大きく左右します。
また、部門賞に選ばれた光ファイバー有線ドローンによる管内点検の事例のように、人が入りにくい管路の点検・調査にドローンなどの新技術を取り入れる動きも広がっています。人手不足が課題となりやすい中小事業者にとって、こうした技術の活用は、限られた人員でも点検の質と安全性を保つヒントになりそうです🔧
広報・教育部門で紹介されたSNSでの情報発信や、工事現場の様子を見える化する取組も参考になります。下水道や管路工事は住民から見えにくい仕事だからこそ、自社の取組を分かりやすく発信することが、地域からの理解や、将来の担い手確保にもつながっていくのではないでしょうか。
※画像はイメージです
今回の「循環のみち下水道賞」グランプリは、下水道管理者・消防機関・管路管理業協会という異なる立場の組織が連携し、災害時に人命を守るための訓練を積み重ねてきた成果が認められた形です。
日頃の連携づくりと新技術の活用、そして地域への発信。この3つの視点は、下水道分野に限らず、多くの建設現場に共通するヒントになりそうです。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
災害時の連携体制づくりや管路点検の協力会社探しにお悩みなら、無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』への登録から始めてみませんか(緑のバナーをクリック)。
出典:「循環のみち下水道賞」表彰式を開催!~創意工夫のある優れた取組を表彰します~(国土交通省 水管理・国土保全局上下水道企画課)(https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000759.html)をもとに作成
➡関連記事:災害時の被害把握を3時間以内に、衛星データ活用へ国交省が新方針
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。