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「若手が入っても、教える仕組みがない」。そんな悩みを抱える建設会社に関わる動きが、政府の会議で示されました。
結論からいうと、国は建設分野で2040年度までに約64万人規模(内数)の人材育成が必要だと整理し、現場のOJTだけに頼らない教育訓練の体系づくりに乗り出しています。中小企業にとっては、助成金を使った社員教育や技能者の評価を見直すきっかけになりそうです。
2026年10月16日、総理大臣官邸で「戦略分野・社会インフラ関連分野の人材育成・確保を推進するための関係府省庁連絡会議(第2回)」が開かれました。
この会議は、AI・半導体などを含む17の戦略分野と、それを支える社会インフラ関連分野の担い手をどう育て、確保するかを省庁横断で話し合う場です。建設は社会インフラ関連分野の一つに位置づけられています。
会議では内閣官房、厚生労働省、文部科学省、経済産業省の説明資料に加え、「各分野の現状と今後の取組予定について(素案)」が配られ、建設分野についても今後の方向性が示されました。
資料では、建設分野で重点的に育てる人材(重点育成人材)を「建設業従事者」と定めています。
足元の就業者数は、技術者が約41万人(2025年度)、技能者が約296万人(2025年)とされています。ここでいう技術者は、建設業法に基づく監理技術者・主任技術者を指します。そのうえで、2040年度までに育成が必要な人数規模を約64万人(内数)と見込んでいます。戦略分野への投資が進めば、工場やインフラを実際に造る担い手が欠かせないからです。
実際、資料には10月1日の総理指示を踏まえて会議体を設け、17の戦略分野の投資を支える建設分野の人材確保を検討するという方針が明記されています。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/reskilling/dai2/shiryou6.pdf)
スキルの見える化については、技術者は施工管理技士などの資格で、技能者はCCUSに紐づく能力評価基準で行なわれています。
一方で資料は、中小企業が多くを占める建設産業では、教育訓練が現場でのOJT中心であり、職種・レベルに応じたカリキュラムや教材が確立されていないと指摘しています。
これまでの取組としては、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会などによる認定職業訓練の受講者が5,772人(2024年度)、業界団体が実施する登録基幹技能者講習が年間数千人規模と紹介されています。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/reskilling/dai2/shiryou6.pdf)
資料で示された施策と検討の方向性は、次の4本柱です。
1. 総理指示を踏まえて設置予定の会議体で、建設分野の人材確保を検討する
2.
教育訓練給付金や人材開発支援助成金(いずれも厚生労働省の制度で、講座受講や社員研修を支援するもの)の活用で技能取得・キャリアアップ支援を強化し、新たな教育訓練体系の構築に向けて検討する。あわせて処遇改善・入職促進とDXによる生産性向上を進める
3.
保安や施工等の現場業務を担う人材の確保・育成などを、サプライチェーン全体・建設業含む業界横断で進める「現場ファースト運動」を立ち上げ、助成金の活用方法や好事例を周知する
4.
施工管理力の評価、技術研鑽、受検環境などを論点に、技術者制度の中長期的な検討課題を議論する
予算面では、建設産業の供給力強化事業として19.8億円の内数(新規)が示されています。
スケジュールは、2026年度にテーマ別検討会を開いて年度内に取りまとめ、2027年度には業界ニーズを踏まえた人材育成プログラムや支援制度の実施・準備へ進む流れです。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/reskilling/dai2/shiryou6.pdf)
制度の詳細はこれから詰められますが、方向性ははっきりしています。「現場で見て覚える」から「体系立てて教え、評価する」への転換です。
まずは自社の技能者のCCUS登録やレベル判定の状況を確認しておきましょう。次に、人材開発支援助成金の対象となる研修(認定職業訓練や登録基幹技能者講習など)を、社員の育成計画に組み込めないか検討してみてください。
さらに、社内でOJTの手順や教え方を簡単にでも文書化しておくと、今後新たな教育訓練体系やプログラムが示されたときに乗り換えやすくなります。
政府は建設業従事者を重点育成人材と位置づけ、2026年度から助成金の活用強化や新たな教育訓練体系の検討を進めます。人を育てる会社ほど選ばれる時代に向けて、今のうちから社内の教育体制を整えておきたいところです。
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出典:戦略分野・社会インフラ関連分野の人材育成・確保を推進するための関係府省庁連絡会議(第2回)(内閣官房)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/reskilling/dai2/gijishidai.html)をもとに作成
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