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職人や現場監督に長く働いてもらうために、まず見直したいのが労働時間です。徳島労働局が公表した令和7年度の監督指導結果では、長時間労働が疑われた建設業22事業場のうち12事業場で法令違反が確認されました。
本記事では、公表データと是正事例をもとに、人を守りながら現場を回すためのヒントを整理します。
今回の監督指導(監督指導とは:労働基準監督署が事業場を調査し、違反の是正を指導すること)は、時間外・休日労働が1か月当たり80時間を超えると疑われる事業場や、過労死等に係る労災請求があった事業場など212事業場を対象に、管内4つの労働基準監督署が実施したものです。
全体では152事業場(71.7%)で労働基準関係法令違反があり、違法な時間外労働は61事業場(28.8%)で確認されました。建設業では、違法な時間外労働が4事業場、賃金不払残業(賃金不払残業とは:残業代などが支払われていない状態)が2事業場、過重労働による健康障害防止措置の未実施が4事業場でした。
また、違法な時間外労働があった事業場のうち、月80時間超は30事業場(49.2%)、月100時間超は21事業場、月150時間超は7事業場、月200時間超も1事業場ありました。前年度と比べ、違法な時間外労働のあった事業場の割合は46.3%から28.8%に下がった一方、その中で月80時間を超える割合は37.3%から49.2%へ上がっています。
※画像はイメージです
今回公表された是正事例は卸売業と製造業のものですが、どちらも「人の配置」と「教育」で長時間労働を解消しており、人手が限られる建設会社にも参考になります。
労働者約10人の食料品卸売業では、特別条項で定めた月95時間を超え、最長で月106時間の時間外・休日労働がありました。同社は経験者の採用と業務分担の見直しを行ない、管理者・従業員への研修も実施した結果、全労働者の時間外労働が月45時間以下になりました。
労働者約230人の木製品製造業でも、最長月106時間の時間外・休日労働が確認されました。同社は業務の再配分に加え、スキルマップ(スキルマップとは:誰がどの作業をどの程度できるかを一覧にした表)を使った多能工化(多能工化とは:一人が複数の作業をこなせるよう育成すること)の研修を実施しました。さらに退勤時刻や承認手続き、9時間以上の勤務間インターバルを定めた社内指針をつくり、全労働者の時間外労働が月80時間以下になっています。
建設業は2024年4月1日から、災害の復旧・復興の事業を除き、時間外労働の上限規制(上限規制とは:残業時間の法律上の上限で、違反は罰則の対象)がすべて適用されています。原則は月45時間・年360時間で、36協定(36協定とは:残業や休日労働をさせるために労使で結ぶ協定)に特別条項を設けた場合でも、年720時間以内、単月100時間未満、複数月平均80時間以内(いずれも休日労働含む)が上限です。
徳島労働局は参考資料として、長時間労働者への医師による面接指導制度、ストレスチェック制度(ストレスチェック制度とは:働く人の心理的な負担の程度を調べる検査の仕組み)、勤務間インターバル制度(勤務間インターバル制度とは:終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する仕組み)の案内も掲載しています。今回、健康障害防止措置について指導を受けた事業場は65事業場にのぼりました。
事例を踏まえると、建設会社でも次のような取り組みが考えられます。
・誰がどの作業をできるかを一覧にし、特定の人に仕事が集中していないか確認する
・若手や新人に複数の作業を教え、応援に入れる人を増やす
・管理者向けに上限規制や36協定の研修を行なう
・終業から翌日の始業までの休息時間をルール化する
・労働時間を適正に把握・記録する
労働時間の把握が不適正として指導を受けた事業場は26事業場ありました。記録の仕組みを整えることは、働く人を守る第一歩です。徳島労働局は11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行なうとしており、早めの点検が欠かせません。
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公表された事例では、採用、業務の再配分、研修による多能工化といった「人への投資」によって残業を大きく減らしていました。法令を守ることは、職人や社員が安心して働き続けられる職場づくりにもつながります。自社の人員体制と育成計画を、この機会に見直してみましょう。
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出典:長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します(厚生労働省 徳島労働局)(https://jsite.mhlw.go.jp/tokushima-roudoukyoku/newpage_02243.html)をもとに作成
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