🏗️建築業界で長年課題とされていた「建築士のなり手不足」に、大きな動きがありました。2026年7月22日、衆議院本会議で「建築士法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決されたのです。
結論から言うと、これまで卒業後でなければ受けられなかった一級・二級・木造建築士試験が、大学等に在学中でも受験できるようになります。さらに二級建築士の実務経験要件も大幅に短縮され、若手が建築士になるまでの期間がぐっと短くなります。
🔍今回の法改正、結論からおさらい
この法律案は国土交通委員長が提出した委員会提出法案(いわゆる議員立法)で、提出者には冨樫博之衆議院議員の名前が挙げられています。7月22日に衆議院へ提出・審議され、その日のうちに可決。賛成したのは自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらい、日本共産党と、まさに全会派一致という珍しいスピード可決でした。
その後、同日中に参議院へ送付され、参議院国土交通委員会に付託されています。第221回国会の会期は2026年2月18日から7月25日までなので、まさに会期末ギリギリでの成立が見込まれています。
🤔なぜ今、建築士の資格ルールを変えるのか
法律案の概要資料には、改正の背景として2つの理由が示されています。
ひとつは建築士の高齢化が進み、将来の建築士等を安定的に確保する必要があること。もうひとつは契約の適正化によって、消費者と事業者の双方に利益をもたらす取引環境を整備する必要があることです。
中小の設計事務所や工務店にとって「若手の建築士がなかなか採用できない」「資格を取るまでに時間がかかりすぎる」という悩みは日常的なものですよね。今回の改正はまさにその課題に踏み込んだ内容と言えます。
※画像はイメージです
📐資格要件はどう変わる?一級・二級・木造建築士
まず一級建築士は、これまで在学中の受験が認められていませんでしたが、改正後は大学等で一定の単位を修得し、最終学年で卒業見込みがあれば在学中に受験できるようになります。また二級建築士になる前の実務経験については、これまでは二級建築士としての実務経験が何年あっても「4年」必要でしたが、改正後は二級建築士になる前の実務経験を含めて合計8年以上(高校等で建築科目を修めて卒業した人は卒業後6年以上)あれば、二級建築士としての実務経験は「2年」で一級建築士の免許を受けられるようになります。
二級建築士・木造建築士についても、在学中受験が可能になるのは同様です。さらに建築学科等を卒業していない人の受験資格としての実務経験は、現行の7年から2年に短縮。免許登録に必要な実務経験も7年から4年に短縮されます。試験に合格した実務2年の人は、その後の実務期間を4年の算定に含めることができます。
あわせて建築設備士についても、登録に関する制度を整備し、必要な見直しを行なうとされています。
📝契約と見積書のルールも同時に見直し
今回の改正には人材確保だけでなく、契約の適正化に関する項目も含まれています。これまで契約書の相互交付義務があったのは延べ面積300平方メートルを超える建築物の新築等に関する設計・工事監理契約のみでしたが、改正後は面積等を問わず、建築士が設計・工事監理を行うすべての契約が対象になります。
さらに建築士事務所の開設者には見積書を作成する努力義務が、契約当事者には見積書の内容等を考慮して適正な委託代金で契約を締結する努力義務が明記されます。資格要件の改正は公布から3年以内、契約適正化に関する改正は公布から1年以内に、それぞれ政令で定める日から施行される予定です。
✅中小の建設・設計事務所が今からできること
この法改正は建設業界の採用・教育担当者にとって、見逃せないチャンスになりそうです。在学中に受験できるようになれば、学生に対して「卒業後すぐに実務経験を積みながら資格取得を目指せる」という具体的なキャリアパスを提示しやすくなります。
採用の場面では、大学や専門学校との接点を増やし、在学中からインターンや実務体験の機会を用意しておくことが有効になりそうです。また実務経験期間の短縮によって、二級建築士や一級建築士へのステップアップが早まる分、社内の教育・研修体制を整えておくことも欠かせません。若手が「この会社なら早く資格を取って活躍できる」と感じられる環境づくりが、人材確保・定着のカギになるでしょう。
まとめ
建築士法改正はまだ参議院での審議を残していますが、衆議院では全会一致で可決されており、会期内の成立が見込まれています。若手の受験機会を広げ、実務経験の壁を下げるこの改正は、人材不足に悩む建設業界にとって前向きな一歩🌱。今のうちから採用・教育の仕組みを見直しておくことで、法改正後にスムーズに若手を迎え入れられる体制を整えておきたいですね。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサービス『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)👇。
出典:建築士法の一部を改正する法律案(概要・議案審議経過情報)(衆議院)(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2CF6.htm)をもとに作成
➡関連記事:社員の資格取得を応援すると会社が強くなる!人も仕事も集まる企業になる秘訣










