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9月16日に高校生の採用選考が始まってから3週間がたちました。内定者を確保できた会社がある一方で、「応募が1件もなかった」「面接はしたが辞退された」という声も、とび・土工工事業などの中小の現場系企業から多く聞かれます。ただ、高卒採用は9月で終わりではありません。10月以降の二次募集と学校訪問をやり直せば、まだ十分に巻き返しが可能です。本稿では、建設業の若手採用でつまずいた会社が今月から取り組むべきことを整理します。
例えば、従業員10人規模のとび・土工会社が、7月にハローワーク経由で求人票を出し、地元の工業高校1校にだけ郵送したとします。学校訪問はせず、求人票の仕事内容欄には「足場の組立・解体作業」とだけ記載。結果、9月5日の応募書類提出開始日を過ぎても応募はゼロでした。
「とび職 求人 出し方」と検索して情報を集める経営者は多いものの、実際には求人票を出しただけで生徒の目に留まるケースは多くありません。高校生は進路指導の先生と相談しながら応募先を決めるため、先生に会社のことが伝わっていなければ、候補にも挙がりにくいのが実情です。
第一に、仕事の中身と成長の道筋が見えないことです。高校生にとって「とび職」は危険できついという印象が先に立ちがちです。安全対策や資格取得の支援、何年目でどんな仕事を任されるかが書かれていなければ、保護者の理解も得られません。
第二に、学校との接点が少ないことです。大手企業の多くは毎年同じ学校を訪問し、先生と関係を築いています。訪問しない会社は比較の土俵に上がれません。
第三に、職場見学の受け入れ体制がないことです。多くの生徒は応募前に職場見学をします。現場が遠い、案内役がいないといった理由で見学を断ると、それだけで選択肢から外れてしまいます。
厚生労働省によると、2027年3月卒業予定者の採用選考は、6月1日にハローワークでの求人申込書の受付開始、7月1日に学校への求人申込と学校訪問の開始、9月5日に応募書類の提出開始(沖縄県は8月30日)、9月16日に選考・内定開始という日程で進んでいます。
高卒採用には一人一社制(一人一社制とは:一定の時期まで、生徒が同時に応募できる企業を1社に限る慣行)があります。最初の応募で不採用や辞退となった生徒は、一定の時期を過ぎると複数の会社に応募できるようになります。時期は都道府県ごとに異なり、例えば愛知県では、指定校求人(指定校求人とは:企業が特定の学校に限って出す求人)は10月31日まで一人一社、11月1日以降は一人二社まで応募できます。愛知県は2027年3月卒業者から、指定校以外の公開求人でも9月16日から一人二社まで応募可能な仕組みを導入しました。自社の地域のルールは、管轄のハローワークで確認しておくことが大切です。
このように、10月以降の二次募集や11月からの応募解禁に向けて体制を整えることが重要ですが、「二次募集の準備と並行して、今すぐ動かせる現場の人手を確保したい」「急な案件に対応できる協力会社をすぐに探したい」というケースも多いのではないでしょうか。
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まず、求人票を見直して二次募集に出すことです。二次募集では、仕事内容に「入社1年目は先輩とペアで作業」「足場の組立て等作業主任者の資格取得を会社負担で支援」など、具体的な育成の流れを書き込みます。週休や残業時間、寮や社用車の有無も、保護者が安心できる判断材料になります。
次に、学校訪問は社長自らが行なうことです。従業員数10人ほどの会社であれば、社長が直接進路指導の先生に会い、現場の写真や若手社員の声を見せながら説明する方が伝わります。訪問先は地元の工業高校だけでなく、普通科の高校にも広げると、建設業を知らなかった生徒にも届く可能性があります。
さらに、職場見学をすぐ受け入れられる準備をしておきます。見学日の候補を複数用意し、案内役の若手社員を決めておくと、生徒も話を聞きやすくなります。
あわせて、厚生労働省の高卒就職情報WEB提供サービス(高卒就職情報WEB提供サービスとは:ハローワークに出された高卒求人を学校や生徒がインターネットで閲覧できる仕組み)に自社の求人が正しく掲載されているかも確認しましょう。先生が自宅や職員室で求人を探す際の入り口になります。
※画像はイメージです
「建設業 人手不足 対策」として採用に力を入れても、早期離職が続けば元も子もありません。入社後はOJT(OJTとは:実際の仕事を通じて先輩が後輩に技術を教える育成方法)の担当者を決め、月に一度は社長が面談するなど、若手が相談できる仕組みを整えておくことが、次年度の学校からの信頼にもつながります。
高卒採用は、9月に内定が出なくても終わりではありません。求人票の書き直し、社長自らの学校訪問、職場見学の準備という3点を今月中に進めれば、二次募集で若手と出会える可能性は十分にあります。「待つ採用」から「会いに行く採用」へ、10月はその切り替えの好機です。
中長期的な若手育成に向けた高卒採用と同時に、直近の現場を円滑に回すための「協力会社ネットワークの強化」や「柔軟な人材確保」を並行して進めることが、人手不足を乗り切るポイントです。
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