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「新しい技術が出てきても、社内に使いこなせる人がいない」。そんな悩みを抱える建設会社は少なくないのではないでしょうか。
国土交通省は、技術政策の指針である第6期国土交通省技術基本計画(国土交通省技術基本計画とは:国土交通行政における技術研究開発の推進や技術の活用、人材育成の基本方針を定める計画)のフォローアップとして、AI活用の議論を始めました。この計画では、技術を支える「人」の育成が大きな柱の一つになっています。
第6期計画の概要資料では、日々開発される新技術が現場に反映されていないことに加え、地方公共団体や中小企業で技術系職員が不足していることが課題として示されています。
AI・デジタル技術の分野でもデジタル技術を扱える人材の不足が明記されており、技術そのものより「使う人」が壁になっている状況がうかがえます。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001993141.pdf)
国土交通省の開催案内によると、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会 第41回技術部会(技術部会とは:国土交通分野の科学技術を総合的・計画的に振興するための基本政策を調査審議する会議)は、令和8年10月5日(月)にWEB併用で開催される予定とされました。
議題は「AI活用を通じたイノベーション・エコシステムの好循環・加速化に向けて」と「今後のインフラのマネジメントのあり方について 中間答申(案)」の2つです。1つ目は、令和8年3月31日に策定された第6期計画のフォローアップの一環と位置づけられています。
2つ目の議題の中間答申(案)は、技術部会の下に置かれたインフラマネジメント戦略小委員会がまとめたもので、副題は「今こそ『インフラマネジメント』への戦略的転換を」です。案では、全国の約1/4の市区町村で技術系職員が皆無、約5割の市区町村で5人以下という厳しい人員体制が示されています。新技術の導入も約8割の機関・部署で実施されていないとされました。
建設業に関わる記述も目立ちます。巡回や除草などの維持作業は約7割の機関・部署で外部委託され、受注者側の課題として受注業者の減少・高齢化・人材不足が挙げられています。また、地域の建設業がインフラ管理の中核を担ってきた一方で、デジタル技術や新技術を十分に活用できていないと指摘されました。
対策としては、小数量多工種のメンテナンス工事の実態に応じた歩掛(歩掛とは:工事の作業ごとに必要な人数や時間の目安を示した基準)の設定の検討や、産学官のアドバイザーを地方公共団体へ派遣する取組などが盛り込まれています。
項目 |
中間答申(案)が示す現状 |
|---|---|
技術系職員が皆無の市区町村 |
全国の約1/4 |
技術系職員が5人以下の市区町村 |
約5割 |
新技術を導入していない機関・部署 |
約8割 |
維持作業の受注者側の課題 |
受注業者の減少・高齢化・人材不足 |
出典:国土交通省「今後のインフラのマネジメントのあり方について 中間答申(案)」(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002024980.pdf)をもとに作成
第6期計画の期間は令和8年度から令和12年度までの5年間です。目標はイノベーション・エコシステム(イノベーション・エコシステムとは:産学官の連携やスタートアップなど異分野からの参入を促し、多様な組織が協働して技術革新を継続的に生み出す仕組み)の確立で、「研究開発の強化」「社会実装の加速化」「技術政策を支える人材育成」の3つに取り組むとしています。計画が目指す社会の1番目には「AI・デジタル技術によるスマートな社会」が掲げられています。
概要資料の人材育成の項目では、技術者が活躍できる多様な場・機会の創出や、技術者に関わる制度・システムの改革などが挙げられています。分野ごとの方向性としても、次のような取組が示されています。
・デジタル施工(デジタル施工とは:ICTや3次元データなどを活用して施工を行うこと)に対応できる技術者の育成
・産学官連携による研修やアドバイザー派遣、人材バンクの整備
・AI・ICT活用研修による地域のデジタル人材育成の支援
・地方公共団体や中小企業への専門家派遣による支援
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001993141.pdf)
2つの議題に共通するのは、新技術を現場で使いこなす人材が足りないという問題意識です。国が研修や専門家派遣の仕組みを整えていく今、中小建設会社に求められるのは「受け皿」となる社内体制づくりです。
まずは、デジタル技術に関心のある若手社員を担当者に決め、社内の書類作成や写真整理、点検記録など身近な業務から試してもらうのがおすすめです。小さな成功体験を社内で共有することが、ベテランを含めた全体の理解につながります。
また、新しい技術に挑戦できる環境は、若手にとって働く魅力にもなります。人材育成を「コスト」ではなく、採用や定着にもつながる投資として捉える視点が大切です。技術部会の資料は国土交通省のウェブサイトで順次公開されるため、定期的に確認しておきましょう。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001993141.pdf)
AI活用の議論が進むほど、技術を使いこなす人材の価値は高まります。国の方向性を追い風に、自社の人を育てる準備を今日から始めていきましょう。
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出典:AI活用を通じたイノベーション・エコシステムの好循環・加速化に向けて議論を行います!~社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会
第41回技術部会を開催~(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001363.html)をもとに作成
出典:第6期国土交通省技術基本計画を策定しました!(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001319.html)をもとに作成
出典:今後のインフラのマネジメントのあり方について
中間答申(案)(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/002024980.pdf)をもとに作成
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