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建設業では、人手不足への対応が続く一方、現場を支える担当者が抱える業務も少なくありません。施工計画書の作成や法令・技術基準の確認など、専門性が必要な仕事に加えて時間のかかる作業もあります。
こうした中、建設業に特化したAIエージェントが2026年10月1日から提供されます。人を増やすだけではなく、今いる人材が本来の仕事に集中できる環境をつくるという視点から、AI活用を考えてみます。
株式会社シーティーエスは、建設業に特化したAIエージェントサービス「SAP マインド」を2026年10月1日から提供すると発表しました。プレスリリースでは、『建設業に特化したAIエージェントサービス「SAP マインド」を、2026年10月1日より提供開始します』としています。
(建設現場での「SAPマインド」活用イメージ)
引用元:株式会社シーティーエスプレスリリース(PR TIMES掲載)
「SAP マインド」は、建設業に必要な法令・技術基準の情報をRAG(RAGとは:必要な情報を検索し、その結果をAIの回答に活用する仕組み)として標準搭載したサービスです。施工計画書の自動下書き作成や法令・技術基準に関する相談などを支援するとされています。
提供開始時点では、既存の「Fileforce for Construction」利用企業を対象としており、価格は問い合わせ制です。AIによって現場作業そのものを代替するのではなく、施工管理を支える業務の一部を効率化することを狙ったサービスといえます。
人手不足というと、採用人数を増やすことが最初に思い浮かびます。しかし、採用してすぐに現場を任せられるとは限りません。新人には教育が必要で、経験の浅い人を支えるために、既存の職人や現場監督の時間も必要になります。
だからこそ、現在いる人材の時間をどこに使うかが重要になります。例えば現場監督が書類作成や資料検索に多くの時間を使っていれば、現場での確認や職人との打ち合わせ、若手への指導に使える時間が減ってしまいます。
AIを活用する意味は、単純に仕事を減らすことだけではありません。人にしかできない判断やコミュニケーションに時間を戻すことも、重要な目的になります。
今回の「SAP マインド」では、発注図書やWBS(WBSとは:工事などの作業を細かな単位に分けて整理する方法)と連携し、施工計画書の下書きを作成する機能が紹介されています。株式会社シーティーエスの自社検証環境では、下書き作成が約15分だったとされています。
また、法令Q&Aや技術Q&Aでは、関連する法令・技術基準の根拠条文を示しながら質問に回答する機能も用意されています。現場担当者が必要な情報を探す時間を減らすことが期待される仕組みです。
もちろん、AIが作成した内容をそのまま使えばよいということではありません。施工条件や現場の状況に合っているか、内容に誤りがないかなどを担当者が確認する工程は必要です。AIを「判断する人」の代わりではなく、「判断する人を支える道具」として使うことが重要です。
(法令Q&A:パソコン画面の例)
(法令Q&A:スマホ画面の例)
引用元:株式会社シーティーエスプレスリリース(PR TIMES掲載)
中小建設会社が新しいITツールを検討する場合、最初から多くの業務を変えようとする必要はありません。まずは、現場監督や事務担当者が「時間を取られている」と感じている仕事を書き出してみる方法があります。
例えば、同じような資料を何度も作成している、必要な情報を探すのに時間がかかる、過去の資料を確認するために担当者へ聞かなければならない、といった作業です。こうした業務を整理すると、AIやデジタルツールで支援できる部分が見つかる可能性があります。
特に人手不足の会社では、「採用できるまで待つ」のではなく、今いる人材の負担をどう減らすかという考え方も欠かせません。業務の一部を効率化できれば、現場担当者が教育やコミュニケーションに時間を使いやすくなることも考えられます。
建設業の人手不足が続く中では、採用活動だけでなく、今いる人材が働きやすい環境を整えることも重要です。10月1日から提供される「SAP マインド」は、施工計画書の下書きや法令・技術基準の確認などをAIで支援するサービスです。
AIを人の代わりにするのではなく、人にしかできない仕事へ時間を振り向けるための道具として考えることで、人手不足への対応方法を広げられるかもしれません。
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