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道路や鉄道、港湾、空港、上下水道といったインフラを「エネルギーをつくる・つなぐ・つかう場」として見直す議論が、国土交通省で本格的に進んでいます。
結論からいえば、インフラの整備や維持管理に関わる建設会社にとって、これからの工事は「エネルギー」という視点抜きには語れなくなる可能性があります。本記事では、令和8年10月13日に開かれた会議の概要と、これまでの議論のポイントを整理します。
国土交通省は、社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会 エネルギー・経済安全保障小委員会の第3回合同会議を、令和8年10月13日(火)10時から12時まで、中央合同庁舎第3号館で開催しました(オンライン併用)。
テーマは「モビリティ・エネリンク構想」(モビリティ・エネリンク構想とは:陸海空や地域・まちの移動体とインフラを活用し、エネルギーの自律性を高める構想)です。
この小委員会は2026年7月17日に設置され、7月29日に第1回、8月18日に第2回の会議が開かれてきました。第3回では「構想の具体化に向けて」として、早稲田大学、岩手県宮古市、成田国際空港株式会社、国土交通省都市局からの説明が議事として予定されていたほか、構想の基本方針に関する中間報告(骨子案)も議題として示されていました。
小委員会の趣旨は、国際情勢の変動を背景に、脱炭素化と非化石転換を進めながら、エネルギーの自給率向上と調達の多角化を同時に実現する施策を検討することです。いわゆる経済安全保障の観点からの取り組みといえます。
第2回会議の事務局資料では、構想が目指すものとして、「エネルギー・重要鉱物の自律性向上」「モビリティ・インフラ分野の事業性向上」「日本経済の成長力向上」の3点を同時に追う「三方よし」が掲げられています。
構想の中心にあるのが「3C」という考え方です。
Create(つくる):道路、ダム、上下水道、住宅、鉄道、港湾、空港等のインフラ空間を活用して発電する。例として、ペロブスカイト(ペロブスカイトとは:薄く軽く、曲げられる次世代型の太陽電池)の設置促進や洋上風力の導入が挙げられています。
Connect(つなぐ):再エネ・新エネの需要地と供給地を結ぶ。代替エネルギーや電力の輸送、EV商用車のバッテリー交換拠点、水素ステーション等の結節点整備などです。
Consume(つかう):交通で再エネ・新エネを使い、住宅・建築物でエネルギーを効率的に使う。
資料では、燃料コストの削減やエネルギー自給率の向上に加え、再エネの地産地消による地域内経済循環の創出、電源の分散化による地域防災力の向上なども同時に実現できるとしています。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo10_sg_000252.html)
小委員会の合同開催について示した国土交通省の資料によると、小委員会は月1回程度開催し、令和8年11月末を目途に中間報告をとりまとめる予定です。中間報告では構想の基本方針と施策のロードマップが示されることになっています。また、第5回以降も2027年以降に開催し、議論を継続するとされています。
第2回会議では、事業性を確保しながら継続するための支援策(インフラ活用促進、規制改革、財政支援等)や、国・自治体に加えてモビリティ・インフラ・エネルギー事業者、金融機関など多様な関係者の実施体制と役割分担が論点として示されました。同資料では第1回会議の議論として、技術開発支援と公共調達による初期需要の創出に触れる意見も整理されています。
インフラ空間での発電設備の設置や、充電・水素などの結節点整備が進めば、その現場を担うのは建設会社です。公共施設や住宅・建築物の省エネ化も含め、エネルギー関連の工事や改修が増えていく可能性があります。今のうちに、太陽光や蓄電池、EV充電設備などに対応できる協力会社とのつながりを確認しておくと安心です。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo10_sg_000252.html)
「モビリティ・エネリンク構想」は、インフラを使ってエネルギーを生み出し、運び、使うという新しい方向性を示すものです。11月末を目途にまとめられる中間報告で、基本方針とロードマップがどのように示されるのか、引き続き注目していきましょう。
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出典:モビリティとインフラを活用したエネルギーの自律性向上
に向けた議論を行います(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo10_hh_000388.html)をもとに作成
出典:エネルギー・経済安全保障小委員会(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s404_anzenhosho.html)をもとに作成
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