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🔨 千葉県千葉市を拠点に、軽量ボードを軸とした内装工事やリフォームを手がける株式会社ITO48。代表の伊藤拓也さんは、内装職人として働きながらホストのプレイヤー兼オーナー、エステ経営、漫画ブロガーまで経験してきた異色の経歴の持ち主です。回り道の中で培った「人との向き合い方」は、人材確保や元請けとの関係づくりに悩む中小建設業にとって、大きなヒントになるはずです。💡
代表取締役
伊藤 拓也
ホスト、エステ経営、漫画ブロガーと多彩な経歴を持ち、ホームページも自作する職人社長。
会社名|株式会社ITO48
所在地|千葉県千葉市
設立|2017年(2013年に個人事業主として独立)
従業員|6名
事業内容|内装工事(軽量ボード)、リフォーム
聞き手|建設円陣PLUS編集部 津田
✅ この記事でわかること
異業種の経験を現場の強みに変える方法
職人の採用で起きやすいミスマッチ
多重下請けから直請けを目指す考え方
伊藤社長の経歴は、建設業界ではかなり異色です。
内装職人として働くかたわら、ホストのプレイヤーやオーナー、エステの経営まで経験してきました。
津田:内装の仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
伊藤:結婚ですね。昔バイトで内装をやっていたんです。未経験だと給料がすごく安いけど、バイトでやったことのある仕事なら経験者として扱ってもらえて、条件が良かったので。
津田:独立までされたということは、天職だったのではないですか。
伊藤:本当は、すぐ辞める予定で入ったんです。不動産営業をやりたかったんですけど、中卒だったので書類審査で全部落ちてしまって。
初めての現場は20歳ごろ、舞浜のイクスピアリ。先輩たちが頭を悩ませる球体部分の施工を、訳も分からず手伝ったそうです。
津田:ホストとしてプレイヤーをされていた時期もあったのですか。
伊藤:最初はプレイヤーで、オーナーもやって、またプレイヤーに戻った感じです。自分の店は一回潰れちゃったんですけど、先輩から幹部待遇で声をかけてもらって。その時は職人をやっていたから、週末ホストみたいな感じでしたね。
実はそのホストの店の内装も、居抜き物件を自ら壊し、壁をペンキで塗って仕上げたのだとか。「あの時から内装屋さんになるのは決まっていたのかな」と振り返ります。
会社員として約7年勤めたのち、2013年に個人事業主として独立し、2017年に法人化しました。
津田:独立されたきっかけは何だったのでしょうか。
伊藤:その会社の給料じゃ、将来やっていけないなと思ったんです。
同社のメインは軽量ボード。マンションやアパート、戸建てのほか、店舗やオフィスの現場にも入ります。
設備や床、クロスは外注先と連携し、エアコン交換や、最近増えている雨漏りの修理にも対応しています。
津田:元請けさんやお客さんから「ここが助かる」と言われることはありますか。
伊藤:自分は横のつながりが広いから、困ったときはうちに言えば誰かしら来てくれる、というのは助かるとよく言われますね。明日ちょっとお願いします、と言われても、仲間内で誰かしら動けるので。
津田:他社と比べて、ピンチに強いところが違いだと。
伊藤:そうだと思っています。ピンチの時は、自分のところに電話がかかってくることが多いっすね。
対応エリアは千葉・東京が中心で、埼玉や神奈川にも対応。出張に強い外注先と組み、1週間程度の泊まりの地方案件をこなすこともあるそうです。
では、仕事をするうえで譲れないこだわりは何なのでしょうか。
伊藤:こだわりはそんなにないんです。自分のこだわりを押しつける職人が嫌いなので。現場に合ったものを提供して、向こうに「ありがとう」と思ってもらわないと意味がないんですよ。自分もそういう職人とさんざんぶつかってきたから、なおさらですね。
「他の職人と比べて、こだわりがないのがこだわりなのかもしれない」
── 代表取締役 伊藤 拓也 氏
現在は社長を含めて6名体制。事務を担う奥様も、忙しい時は現場に出ているといいます。
多くの中小建設業と同じく、同社も採用には苦戦しています。
津田:これまで、どのように人を集めてこられたのでしょうか。
伊藤:ハローワークやIndeedみたいな無料の求人です。でも最近は来ないですね。1年くらいは応募が来ていないかもしれない。有料の媒体も試したことはありますけど、結果は出なかったです。
津田:応募者の中で「この人は合わなかった」という方はいましたか。
伊藤:自分の仕事にプライドを持っていて、言うことを聞かない職人気質の人はちょっと無理だなと。言ったら不機嫌になったりしちゃうので。
外注先で現場は回せているのに、なぜ自社で人を雇いたいのでしょうか。
伊藤:賄えてはいるんです。でも将来的なことを考えたら、自分のところでも若い子を育てていかないといけないなと。
現状は二次・三次の下請け案件も多く、今後は直請けを増やしたいと話します。
その発信を支えるのが、異業種時代の経験です。
津田:ホームページは代表がご自身で作られたんですよね。
伊藤:昔、漫画の雑記ブログをやっていたので、これでホームページも作れるんじゃないかと。エステをやっていた頃に作ってもらったことがあるんですけど、やっぱり高いなと思って。
💡 中小建設業が真似できるヒント
採用では技術だけでなく「指示を受け入れられるか」も見極める
外注で回せている時期こそ、将来に向けて自社の若手育成を考える
ホームページやXなど、自分で更新できる発信の窓口を持つ
最後に、これからの会社の展望を伺いました。
伊藤社長の答えの根っこには、ホスト時代から変わらない「人との向き合い方」がありました。
津田:5年後、10年後に向けた展望はありますか。
伊藤:やっぱり一番は、利益率を上げて、従業員の給料を上げてあげたいというのが一番ですね。
津田:その考えは、最近持たれたものですか。
伊藤:昔からです。ホストの頃から、ずっと言っている言葉があるんですよ。
伊藤:ホストって、10人いて1人稼げるか稼げないかの世界なんです。やらなきゃよかったという人もいる。だから稼げる子も稼げない子も面倒を見て、稼げなかったけどホストをやってよかった、と思われるような付き合い方をずっと考えていました。
「ホストの業界にいた人にこんな仕事は務まらない、と思う人もいるかもしれない」とこぼす伊藤社長。
しかし、職種が変わっても目の前の人を大切にする姿勢は一貫しており、それこそが同社の土台になっています。
「自分と出会った人を、良くも悪くも後悔させたくない」
── 代表取締役 伊藤 拓也 氏
🎤 社長に一問一答
Q. 社名「ITO48」の由来は?
A.
アイドルグループからです。語呂が良かったので。
Q. アイドルはお好きですか?
A.
テレビで見るのは好きですけど、コンサートに行くほどではないですね。
Q. 好きなものは?
A.
漫画です。漫画の記事を書くブログで、お小遣い程度は稼げるようになりました。
Q. 他の職人と比べて詳しい分野は?
A.
ホームページやLPは自分で作っていて、AIもいじっています。他の職人と比べたら詳しい方だと思います。
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📝 編集部コメント
ホスト、エステ経営、ブロガー。一見遠回りに見える経歴が、伊藤社長の広い人脈と「目の前の人を後悔させない」姿勢を育ててきたのだと感じました。異業種経験こそが、職人としての最大の武器です。