港湾工事に携わる建設業者にとって、工事費の根拠となる「積算基準」の改定は収益性にも直結する重要なテーマです。 国土交通省は2026年6月、港湾土木工事請負積算基準について全工種を対象とした抜本的な見直しに着手しました。 ICT施工やDX、働き方改革など現場環境が大きく変化するなか、長年指摘されてきた積算基準と施工実態の乖離解消が期待されています。 本記事では、改定の背景や今後のスケジュール、中小建設業者への影響について分かりやすく解説します。
「数字が合わない」という現場の声、ずっと届いていた🏗️
港湾土木工事に関わる施工業者の間では、長らくこんな声が聞かれてきました。「積算基準通りにやろうとしても、現場の実態と全然合わない」「今どきの施工方法に対応した基準になっていない」——。 この問題にようやく国土交通省が本腰を入れて動き出しました。
国土交通省港湾局は令和8年6月、港湾土木工事請負積算基準について「全工種を対象とした抜本的な改定作業」に着手することを正式に発表しました💡 背景にあるのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革の進展です。港湾工事の現場でもICT施工やBIM/CIM活用が広まりつつある中、積算の根拠となる基準がその実態に追いついていない。そのギャップが長年放置されてきたわけです。
なぜ改定が必要なのか?港湾工事の積算基準と施工実態の乖離📋
積算基準とは、工事費を算出するための根拠となるルールブックです。発注者も受注者も、この基準をもとに工事費の積算を行います。 しかし近年、港湾工事の現場では、ICT機器の導入、作業船乗組員の働き方改革対応、BIM/CIM原則適用など、施工環境が大きく変化しています。それに対して積算基準の方は毎年度の「一部改定」を繰り返すにとどまっており、現場実態との乖離が積み重なってきたのです📊
国土交通省港湾局は、この問題を解決するため、令和8年3月に「港湾工事積算に関する実態把握調査」を実施。調査結果をもとに、いよいよ全工種を対象とした本格的な抜本改定へと踏み切ることになりました🔍 これは従来の一部改定ではなく、基準体系そのものを再構築するレベルの取り組みです。港湾工事に携わる事業者にとっては、大きな制度変化が来ることを意味します。
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「港湾工事積算基準等あり方検討会」が始動⚙️
今回の改定を進めるにあたり、国土交通省は「港湾工事積算基準等あり方検討会」を設置しました。 第1回の検討会は令和8年6月17日(水)午前10時から11時30分、東京都千代田区霞が関の(一財)港湾空港技術総合センター2階会議室で開催されました。
検討会の主な議題は「港湾土木請負工事積算基準の改定について」と「意見交換」の2本立て。積算基準の改定方向性について専門家・関係者が議論する場となっています。 なお、この検討会は非公開で行われていますが、冒頭の挨拶はカメラ撮りが可能とされていました。港湾工事積算の実務に影響する本質的な議論は、内部の検討として丁寧に進める方針です✅
🤝 制度改定の情報収集は業界ネットワークも重要
今回のような制度改定は、正式な基準改正が行われる前から業界内でさまざまな情報交換が行われます。
特に港湾工事や土木工事では、協力会社や同業者とのネットワークを通じて現場の対応事例や発注機関の運用情報が共有されることも少なくありません。
建設業向けマッチングサイト「建設円陣」は、協力会社探しだけでなく、業界内のつながりづくりや情報収集の場としても活用されています。
今後の制度改定に備え、情報網を広げておきたい企業は活用を検討してみてもよいでしょう。
港湾工事業者への影響は?積算基準改定で変わるポイント🏢
この改定が進めば、施工業者側にとって以下のような影響が見込まれます。 まず、積算基準と施工実態の乖離が解消されれば、適正な工事費の積算・計上がしやすくなります。現場のDX投資やICT機器の費用など、これまで積算に反映させにくかった項目も、新基準では正当に計上できるようになる可能性があります💰
また、作業船乗組員の働き方改革に対応した積算への転換も期待されています。令和8年4月現在、すでに試行的取り組みとして「能力補正型」「能力現行型」「労務数補正型」などの積算要領が運用されていますが、これらをどう本基準に取り込むかも今回の議論の焦点となるでしょう。 現時点で建設通信新聞の報道では「令和9年度(2027年度)の適用を目指す」とされています📅 今後、検討会の議論が進むなかで業界団体等を通じた意見募集が行われることも想定されます。港湾工事を手がける事業者は、今後の国土交通省発表に注目しておくことが重要です。
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積算基準改定に向けて今からできる3つの準備📌
改定に備えて、現場の実務担当者や経営者が今からできることを整理します。
①「現在の施工実態」を記録・整理しておく 自社の現場では、積算基準との乖離がどこで発生しているかを具体的に書き出しておきましょう。DXツール導入費用、週休2日確保のための追加費用、ICT機器のリース費用など、基準上で拾いにくい費用項目を明文化しておくことが今後の積算交渉にも生きます。
②国交省の港湾局情報を継続チェックする 国土交通省のウェブサイト(港湾関連の報道発表資料ページ)では、検討会の進捗が逐次公表されます。意見募集(パブリックコメント)が行われた場合、業界の声を届ける機会にもなります。
③取引先・発注機関との積算コミュニケーションを継続する 新基準の適用前であっても、現行の試行的取り組み(週休2日確保のための費用計上など)を活用できるケースがあります。発注機関との事前相談を丁寧に行い、取りこぼしのない積算を心がけましょう🙂
まとめ
国土交通省港湾局は、港湾土木工事請負積算基準について全工種を対象とした抜本改定に着手しました。
ICT施工やDX、働き方改革への対応を進めるなかで、長年課題とされてきた積算基準と施工実態の乖離解消が期待されています。
令和9年度の適用を目指して検討が進められているため、港湾工事に関わる事業者は今後の発表や業界動向を継続的にチェックしておくことが重要です。
また、制度改定への対応や情報収集を進めるうえでは、協力会社や同業者とのネットワークづくりも欠かせません。日頃から情報交換できる環境を整えながら、変化に備えていきましょう。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
協力会社探しや人材確保、業界ネットワークづくりに活用できる建設業向けマッチングサイト「建設円陣」も無料で利用できますので、ぜひご活用ください。
出典: 「港湾工事のDXや働き方改革推進に対応した港湾工事積算基準について議論 ~「港湾工事積算基準等あり方検討会」を開催~」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/report/press/port05_hh_000444.html をもとに作成










