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見積りを出すとき、「この先、資材の需要はどう動くのか」は気になるポイントです。その判断材料として、国土交通省は令和8年10月9日に令和8年度の主要建設資材需要見通しを公表しました。
結論は、セメント・生コンクリート・普通鋼鋼材が前年度より増加、木材は前年度並み、アスファルトは減少という見通しです。この記事では、数字を見積り・原価管理にどう活かすかという視点で整理します。
令和8年度の需要見通しと前年度比は、次のとおりです。
・セメント:3,100万t(1.5%増)
・生コンクリート(生コンクリートとは:工場で練り混ぜ、固まる前の状態で現場へ運ぶコンクリート):6,100万m3(1.2%増)
・木材:775万m3(前年度比±0.0%)
・普通鋼鋼材(普通鋼鋼材とは:H形鋼や鉄筋などに使われる一般的な鋼材の総称):1,570万t(1.1%増)
・アスファルト:75万t(2.6%減)
鋼材の内訳では、形鋼(形鋼とは:H形やL形など断面が一定の形をした鋼材)が340万t(3.3%増)、小形棒鋼(小形棒鋼とは:主に鉄筋として使われる細い棒状の鋼材)が560万t(0.4%増)です。5資材7品目の中では、形鋼の伸び率が最も大きくなっています。
出典:「令和8年度 主要建設資材需要見通し」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00378.html)をもとに作成
この見通しは、令和8年8月31日に公表された「令和8年度建設投資見通し」(建設投資見通しとは:国内の建設工事に投じられる金額を国が年度ごとに推計したもの)がベースです。
建築(住宅・非住宅)や土木(政府・民間)といった項目ごとの投資額(実質値)に、資材ごとの原単位(原単位とは:工事費100万円あたりに必要となる資材の量)を掛け、需要実績なども考慮して推計しています。建築補修(改装・改修)投資は対象外です。
見積りでも「工事費あたりの資材量」は欠かせない考え方です。国の推計と同じ発想で、自社の過去の工事で資材費が工事費のどのくらいを占めていたかを把握しておくと、見積りの精度を高める手がかりになります。
出典:「令和8年度 主要建設資材需要見通し」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00378.html)をもとに作成
令和7年度の需要量実績は、セメントが3,053万t(前年度比6.5%減)、生コンクリートが6,028万m3(同8.2%減)、アスファルトが77万t(同8.3%減)と大きく減少しました。令和8年度の増加見通しは、その落ち込みからの小幅な持ち直しといえます。
一方、価格面では、国土交通省が毎月行なう主要建設資材需給・価格動向調査(需給・価格動向調査とは:生コンクリートや鋼材、木材などの価格や需給、在庫の状況を毎月調べる調査)の令和8年9月1日〜5日時点の結果で、7資材13品目すべてが価格は前月から横ばい、需給は均衡、在庫は普通とされています。
つまり現時点では価格の急な変動は確認されておらず、需要の見通しと足元の価格を分けて見ることが大切です。
出典:「令和8年度 主要建設資材需要見通し」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00378.html)をもとに作成
1. 資材ごとに見積りの考え方を分ける
需要が増える見通しのセメント・生コンクリート・鋼材と、横ばいの木材、減少見通しのアスファルトでは状況が異なります。資材費を一律に扱わず、品目ごとに直近の仕入れ単価を確認して見積りに反映させましょう。
2. 見積りの有効期限を意識する
着工まで期間があく案件ほど、見積り時点と発注時点で条件が変わる可能性があります。有効期限の明記や、資材価格が動いた場合の扱いについて、事前に取引先と確認しておくと安心です。
3. 毎月の調査を見積り更新の目安にする
年度見通しは年間の目安です。毎月公表される需給・価格動向調査をチェックし、価格の動きが出たタイミングで標準単価を見直す運用にすると、原価のズレを早めに把握できます。
※画像はイメージです
令和8年度はセメント・生コンクリート・普通鋼鋼材の需要が小幅に増える見通しですが、足元の価格は横ばいです。年度見通しと毎月の調査を両方見ながら、資材ごとに見積りと原価管理を丁寧に行なっていきましょう。
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出典:「本年度の主要建設資材需要見通しはセメント、生コンクリート、普通鋼鋼材にて増加~令和8年度主要建設資材需要見通しを算出~」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00378.html)をもとに作成
出典:「9月の主要建設資材の需給動向は全ての調査対象資材において均衡」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00380.html)をもとに作成
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