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埼玉労働局が、長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度(令和7年4月~令和8年3月)の監督指導結果を公表しました。結論から言うと、建設業では監督指導を受けた49事業場のうち36事業場で労働基準関係法令の違反が見つかっています。時間外労働の上限規制が建設業にも適用されてから2年半以上が経ち、「知らなかった」では済まされない段階に入っています。
本記事では、公表資料の数字をもとに、中小の建設会社が今から見直すべきポイントを整理します。
今回の監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、過労死等に係る労災請求が行なわれた事業場を対象に実施されたものです。
全業種では658事業場に監督指導が行なわれ、541事業場(82.2%)で労働基準関係法令違反が認められました。
このうち建設業は49事業場で、内訳は次のとおりです。
・法令違反があった事業場:36事業場
・労働時間に関する違反:16事業場
・賃金不払残業(賃金不払残業とは:働いた時間分の割増賃金などが支払われていない、いわゆるサービス残業):6事業場
・健康障害防止措置に関する違反:4事業場
対象となった事業場の4つに3つ近くで何らかの違反が見つかった計算です。「うちは大丈夫」と思っている会社ほど、一度点検しておく価値があります。
※画像はイメージです
全業種では、違法な時間外労働があった事業場が285事業場(43.3%)でした。そのうち、時間外・休日労働が最も長い労働者の時間数は、月80時間超が156事業場、月100時間超が107事業場、月150時間超が17事業場、月200時間超が2事業場となっています。
前年度(令和6年度)と比べると、違法な時間外労働があった事業場は322事業場から285事業場に減りました。一方で、賃金不払残業があった事業場は55事業場から62事業場へと増えています。長時間労働を抑えた結果、記録に残らない残業が生まれていないか、注意が必要です。
また、労働時間の管理方法を確認したところ、タイムカードを基礎とする事業場が233、ICカード・IDカードが152、自己申告制が167でした。現場への直行直帰が多い建設業では自己申告に頼りがちですが、79事業場が労働時間の把握が不適正として指導を受けています。
時間外労働の上限規制(上限規制とは:法律で残業時間の上限を定め、違反に罰則を設けた仕組み)は、原則月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があっても、年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)を超えることはできません。
建設の事業は令和6年4月1日から適用されており、災害の復旧・復興の事業を除き、すべての規制が適用されます。災害の復旧・復興の事業に限っては、単月100時間未満と2~6か月平均80時間以内の規制は適用されません。
なお、残業させるには36協定(36協定とは:時間外・休日労働について労使で結び、労働基準監督署に届け出る協定)の締結・届出が前提です。
1.労働時間の記録方法を点検する
厚生労働省の労働時間適正把握ガイドラインでは、自己申告制の場合、入退場記録やパソコンの使用時間との突き合わせなど実態調査を行なうことが求められています。日報と実際の作業時間にずれがないか確認しましょう。
2.長時間労働者の健康管理を整える
今回、347事業場が過重労働による健康障害防止措置が不十分として指導を受け、211事業場が月80時間以内への削減を指導されました。医師による面接指導を受けられる仕組みを用意しておくことが大切です。
また、ストレスチェックは改正労働安全衛生法により、令和10年4月1日から労働者50人未満の事業場にも義務化されます。
3.助成金を活用して業務を効率化する
中小企業向けの働き方改革推進支援助成金には「業種別課題対応コース」などがあります。公表資料では、建設業の活用例として土木工事積算システムの導入で積算業務を効率化し、労働時間を削減した事例が紹介されています。問い合わせ先は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。
※画像はイメージです
埼玉労働局は、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行なうとしています。労働時間の記録、健康管理、業務効率化の3点を早めに見直し、職人が安心して長く働ける環境づくりにつなげていきましょう。
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出典:長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します(埼玉労働局)(https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/content/contents/002866015.pdf)をもとに作成
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