記事を読み込み中です
半導体工場やデータセンターなど、大型の設備投資が続くなかで、建設現場の「人が足りない」という声は国の成長戦略そのものを左右する問題になってきました。
政府は2026年10月30日、「17の戦略分野の投資を支える建設分野の人材確保等に向けたタスクフォース」の第1回会合を開催しました。
国は人材を**「集める」「育てる」、そして「業務を効率化する」**という3本柱で具体的な対策を動き出させています。本記事では、タスクフォース発足の背景とともに、中小の建設会社が今すぐ活用できる助成金や育成支援策について分かりやすく解説します。
タスクフォースの開催文書では、17の戦略分野(17の戦略分野とは:政府の「日本成長戦略」で官民投資を重点的に進めるとされたAI・半導体、造船、量子などの分野)への投資を進めるうえで、建設分野の供給力不足が工場建設などの成長投資のボトルネックになることが懸念されると示されています。
構成は内閣官房副長官を議長とし、厚生労働省、経済産業省、国土交通省の局長級などが加わる省庁横断の体制です。
経済産業省の資料には、発注者側から「工期の長期化が投資決定の最大のボトルネック」という声が紹介されました。特に電気・空調設備の専門サブコン(サブコンとは:元請から設備工事などを請け負う専門工事会社)の確保が難しいという指摘が目立ちます。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kensetsu/dai1/gijishidai.html)
国土交通省の資料によると、建設業就業者はピークの平成9年に685万人でしたが、令和7年は478万人と約3割減っています。技能者に限ると455万人から296万人まで減少しました。
年齢構成も厳しく、55歳以上が36.6%を占める一方、29歳以下は11.9%にとどまります。技術の引き継ぎが大きな課題とされています。
設備工事業者からの声として、「将来の仕事量が見えず、技能者の雇用を増やす決断ができない」「電気工事士の資格を持っていても他産業に入職してしまう」「中小事業者は目の前の業務で手一杯で、教育訓練や資格取得の支援まで手が回らない」といった実感も資料に並びました。現場で採用や教育を担う方なら、思い当たる点が多いのではないでしょうか。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kensetsu/dai1/gijishidai.html)
こうした「人手不足で仕事を受けきれない」「自社だけでの教育や採用に限界がある」といった現場の悩みを解消する選択肢として、今注目されているのが無料の建設業向けマッチングサービス**『建設円陣』**です。
協力会社探しや即戦力となる人材確保の一手として、まずは無料でどのようなパートナー企業とつながれるかチェックしてみてはいかがでしょうか。
会合で示された議論テーマ案は大きく3つです。
1つ目は人材を「集める」施策です。業界横断での魅力発信や、労働局・ハローワーク、特設サイトを使った積極的な勧誘、建設業界内外での人材の融通を促す支援、外国人技術者の能力確認手続きの負担軽減などが挙がっています。
2つ目は「育てる」施策です。リ・スキリング(リ・スキリングとは:仕事に必要な新しい知識や技能を学び直すこと)支援、新たな教育訓練体系の構築、教育訓練給付金の対象拡充、工業高校などと連携した人材育成、処遇改善や建設業退職金共済制度(建退共とは:建設現場で働く人のための国の退職金制度)の見直しが含まれます。
3つ目は業務効率化で、AX・DXの推進や変形労働時間制(変形労働時間制とは:一定期間の平均で法定労働時間に収まるよう、日や週ごとの労働時間を柔軟に配分できる制度)の活用が論点です。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kensetsu/dai1/gijishidai.html)
新しい制度を待つだけでなく、既存の支援を使って人を育てることもできます。参考資料では、CCUS(CCUSとは:建設キャリアアップシステム。技能者の資格や就業履歴を登録し、能力を評価する仕組み)のレベルアップにつながる資格取得の支援制度が紹介されています。
たとえば、人材開発支援助成金では、技能者に認定職業訓練などを行った建設事業主に経費最大90%、賃金助成は1日最大12,450円の支援があります。技能者本人が指定講座を受講する教育訓練給付金は、受講費用の最大80%(年間上限64万円)が支給され、電気工事士や土木施工管理技士などの資格取得にもつながります。
また、令和9年4月から始まる育成就労制度には電気設備施工も含まれると示されており、外国人材の受け入れを検討する会社は動向を押さえておきたいところです。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kensetsu/dai1/gijishidai.html)
国が人材の「集める」「育てる」に本腰を入れ始めた今は、自社の採用ルートや教育体制を見直す好機です。助成金や給付金も上手に活用しながら、次の世代につながる職場づくりを一歩ずつ進めていきましょう。
人手不足や設備工事のひっ迫への即効性のあるアプローチとして、前述した無料のマッチングサービス『建設円陣』などを活用してパートナーシップを広げることも有効な手段です。国が推進する制度や助成金を上手く活用しつつ、新しいツールも柔軟に取り入れて、次の世代につながる持続可能な職場づくりを一歩ずつ進めていきましょう。(緑のバナーをクリック)。
出典:17の戦略分野の投資を支える建設分野の人材確保等に向けたタスクフォース(第1回)(内閣官房)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kensetsu/dai1/gijishidai.html)をもとに作成
➡関連記事:資格取得費用、うちはどこまで出す?中小建設業こそ今すぐ決めておきたい社内ルール
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。