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建設業界は長らく「理系・男性の仕事」というイメージが根強く、学生の就職先候補として敬遠されがちだった。しかし山口県下関市の総合建設業・株式会社コプロスは、この固定観念を変えるユニークな取り組みで採用活動を続けている。中小企業でありながら毎年400名前後のエントリーを集める同社の内定式から、人材確保に悩む建設業者が学べるポイントを探る。
株式会社コプロス(山口県下関市、代表取締役社長:宮﨑薫)は、10月1日に本社にて2027年4月入社予定の新卒内定者を対象とした内定式を実施した。応募者453名から選ばれた3名の内定者が参加し、コプロスが独自開発した「施工管理体験ゲーム」を体験したという。
この取り組みの背景について、同社は次のように説明している。
『建設業に従事しているのは理系・男性とのイメージがあります。ロールプレイング形式の施工管理体験ゲームを実施している背景には、学生の方々にも根強くあるイメージを変えたいという思いがあります。インターンシップで実施すると、建設業にまったく興味がなかった文系の学生に変化が生まれます。理由は、施工管理の仕事で必要な「関係者間の交渉・調整」「チーム内での合意形成」「リスク回避の意思決定」「状況を伝えるプレゼン能力」といったスキルが文系の学問とリンクするためです。実際にコプロスでは、全社員のうち約8割を文系社員が占めています。』
引用元:株式会社コプロスプレスリリース(PR TIMES掲載)
建設業の採用現場では、業務内容が学生にうまく伝わらないという課題が長く指摘されてきた。現場作業や力仕事のイメージが先行し、施工管理という仕事に本来含まれる調整力や判断力といった側面が見えにくいためだ。
コプロスの取り組みが興味深いのは、この見えにくさを「体験」によって解消しようとしている点である。ロールプレイング形式のゲームを通じて、交渉や合意形成といった業務の本質を疑似体験させることで、文系学生にも仕事の魅力を直感的に理解してもらう仕掛けになっている。
さらに同社は、インターンシップを経験していない内定者に対しても内定式でこのゲームを実施することで、入社前の段階から仕事への理解と意欲を高める機会として活用している。採用した人材が入社後に早期離職してしまうリスクを下げる工夫ともいえるだろう。
土木事業から始まったコプロスは、これまで培ってきた土木・建築の技術に加え、バイオマス発電事業や地方創生事業へと事業領域を広げており、同社はこの段階を「第二創業期」と位置づけている。こうした事業の拡大を支えるには、未来の経営層を担える人材の確保が欠かせない。
同社は2016年より新卒採用を強化し、建設業界全体で学生人気が低迷する中にあっても、地方の中小企業でありながら毎年400名前後のエントリーと、10名前後の大卒新入社員を迎え続けているという。これは単発のイベントではなく、継続的な採用ブランディングの積み重ねによる成果と見ることができる。
引用元:株式会社コプロスプレスリリース(PR TIMES掲載)
コプロスは今年で創業80年を迎えた総合建設業の企業だ。建設業界はDXが最も遅れている分野の一つとされる中、同社は山口県で初めて建設用3Dプリンターを導入し、業界のDX推進に先駆けている。加えてドローンやICT建機などの最先端システムを積極的に活用し、人手不足の解消や工期短縮、生産性の向上を実現しているという。
こうした取り組みが国からも評価され、「DXセレクション2025(経済産業省)」準グランプリおよび「中国インフラDX(国土交通省)」を受賞している。最先端技術への投資と、学生の心をつかむ採用の工夫は、一見別々の取り組みに見えるが、どちらも「建設業のイメージを変える」という共通の狙いでつながっているといえるだろう。
地方の中小建設業者にとって、大企業のような採用予算をかけずとも、仕事の魅力を伝える工夫次第で応募者の関心を引き寄せられるという点は、コプロスの事例から学べる示唆の一つである。
建設業のイメージを変える採用の工夫は、地方の中小企業であっても実践可能であることをコプロスの事例は示している。自社の課題に合わせて「体験」を通じた発信を取り入れることが、これからの人材確保の鍵になりそうだ。
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